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 先週の記事では「大統領選通過後も2%程度の振り落としはちょくちょく来ているため、あまり高いコストで新規ロングを作ると右往左往させられそうに見える」「しかし3630もまだまだ遠く、万が一後で3825の上で買い戻すかどうか迷うことになるのもアホらしいので、細々としたポジションなら下を叩くほどでもなさそうだ」としていたが、結果として振り落としはやって来ず、ただただ細々としたポジションを引っ張るのが正解となった。もしわざわざ3825ブレイクで追いかけていたら一喜一憂が続くところであった。「マクロなリスクオフで金利が下がった方がナスダックが浮上して反転しやすいパターンもあったが、最近のGAFAMの地合いを見ているとそんな力もなさそうにも見える」としていたが、木金にかけて少しだけ前半の様相を呈した。もっともGAFAMの地合いは軽いマクロリスクオフと共に著しく改善した。しばらくS&P 500はデフレーションフレンドリーな挙動を示しやすいかもしれない。

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 これから決算シーズンとなるが、過去のJPモルガンから始まり99%の発表が済むまでの期間のS&P 500のパフォーマンスは全体的によく、中間値で2.1%の上昇となっている。特に2020年は安堵のラリーが目立った。下がった期はだいたい人民元切り下げや貿易戦争などのもらい事故である。しかし当のDBも「好決算が優勢になりそうなものの、感極まったポジショニングや高いバリュエーションを考えると平均以下のパフォーマンスしか期待できない」としているそうである。
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 一方、決算シーズンを台無しにした2018年2月のVIXショックのように、2月はボラティリティスパイクが起きやすい月としても知られている。(ユーフォリアを受けた金利上昇、大相場の最後にしか上がらない香港株など)VIXショックが起きた2018年との類似性は至るところで指摘されており気になるところではある。類似性があまりにも気になるようなら株が国債を大きくアウトパフォームした今月の月末から2月初頭にかけてを見送るのも、結果的に吉と出るか凶と出るかは別としてオッズはよさそうである。

 テクニカルにはいまだに強気トレンドが崩れるきっかけが見えない。このペースで伸び続けることは不可能なのでつい天井当てに興味を持ってしまうが、今のところ2%程度の調整を定期的に経験しつつも毎回それぞれ前回の安値をすらブレイクしていないのでショートは検討外である。先々週の短い週足上ヒゲ陰線が上にブレイクされたこともあって、素直に前回安値の3750がサポートになりそう。
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 チャートといえばバブルに取り残された形で秋以降鳴かず飛ばずだったGAFAMが長いレンジから脱出できるかどうかのところに来ている。Appleは高値圏でカップウィズハンドルとなっており、Microsoftもトライアングルとみなすか水平レンジとみなすかでブレイクしたかどうかが争われる水準に来ている。27日にアップルの決算が控えている中でこのチャートパターンが上抜けとなるか、或いは再びレンジ内に引き戻されるかが注目される。バリュエーションはアップルの実績PER 42と既にアホらしいほど高い一方、ポジショニング的には機関投資家は大型テックの混雑さから脱出済で重くないように見える。ただ上抜けしたとしてもさすがに今更新規で付いていくというよりラッキーと見て降り始める方が安全に見えるし、釣られて浮気先からの資金回帰が起きるとなると他の好調バブルセクターの方が心配になってしまう。逆にこのあたりで一回滑って指数が引きずられたら淡々と押し目を買えばよさそう。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。