先週のS&P 500は前の週の下落の全戻しとなった。先週の記事ではいろいろと思い悩んだが、結局金曜が安値となり、首の皮一枚で繋がった状態から一直線に反発した形となる。大統領選後で最も震度の高い調整であったがそれはあくまでも過去形だった。「週明けで更に下値を更新してくるようだと2ヶ月間続いていたサポートの本格ブレイクとなってしまい、いったんサイドラインに立って週足下ヒゲ陽線を待つしかなくなる。いったん反発するようなら不完全燃焼のまま再び上昇トレンドに復帰する形となるが、その上でもししばらく経って3650をブレイクされると日足ヘッドアンドショルダーになってしまう」としていたが、月曜アジア時間の先物を無視すると下値の更新はなかった。結局、現物がオープンすると指数は不完全燃焼のまま反発し、そこに米国の財政出動策の順調な進行もあって加速し、更にGoogleの好決算もあって指数は急落前の高値まで更新した。
「ポジションサイズに不安が残るならば3800近辺があれば整理しておくと居心地がよくなりそう(少し前と違って強弱フェーズの入れ替わりを提示するレジスタンスがやや明瞭になった)だし、細々としたポジションしかなく不安がなければどうせ中長期の天井ではないだろうから不完全燃焼に付き合ってもバチは当たらなそう」としていたが、たとえ巨額のポジションを抱えていても歯を食いしばって3800近辺をスルーすべきとなったし、売らないだけでなく3650あたりを背に買い増さなければならなかった。
VIXはカナリアとしての使えなさを遺憾なく発揮した。一時は38まで上昇したものの、先週にかけて一直線に下落し、むしろアク抜けしたと言わんばかりに急落前の水準を割り込んでいる。システマティック系ファンドが振り落とされる暇もなかった。
野村はCTAが調整を恐れずに押し目買いを続けていると示唆している。
テクニカルには3870のレジスタンスはブレイクされ、一方下値は3650に続いて3690が二つめの転換点となった。跳ね返った後にもう一度3650を下にブレイクしていたらヘッドアンドショルダーになったところだが、そのパターンにはならないまま上値をブレイクした。3650~3690は強いサポートとなる。ここからは調整があっても振り落とされないよう注意しながら3650 -3690あたりを背に、財政出動の着地規模の憶測の揺れなどを利用してどこまで安く押し目を拾えるか。利食いはよほどどこかのマーケットで急変(長期金利で言うと1日10bp以上)があれば逃げ足を用意しておくとオッズがよさそうだが、中長期の天井をピンポイントで当てられる可能性が低い以上、値ごろ感で利食うほどではないだろう。ショートは引続き考慮しない。
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