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 先週のS&P 500は一旦上値を更新してから再び金融政策問題で押し戻されている。FOMCで長期金利への牽制がなくツイストオペが否定されたことにより10年金利は一時1.75%まで上昇し、ナスダックを中心に押し下げられた。そして返す刀でSLR緩和措置の廃止も発表されて金利上昇で恩恵を受ける銀行セクターも押し戻され、S&P 500は週足上ヒゲ陰線になってしまった。
Nasdaq
 先週の記事では「(S&P 500は)もう一度新高値を更新すればさすがに「新値に売りなし」となり上値の蓋は取れそうだ。その場合に参考となるレジスタンスはS&P 500よりもナスダックの13600になりそう。ナスダックの13600を攻略できたらバブル再開を確認できる。サポートは引続き3650 -3690あたりとなり、ナスダックでは遥かに近い13000のネックラインをキープできるかどうかに注目か」としていたが、上値の蓋が取れても伸び代は大したことがなかった。ただ、3950ブレイク後の注目点としてナスダックの13600は完璧に上値余地を当てたことになった。少なくともナスダックは13600をタッチしたのかしていないのか微妙なところから反落し、次に13000のネックラインで跳ね返り、見事に13000 -13600レンジとなっている。引続き例外的にナスダックの方が示唆の多いチャートとなっている。

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 10日以上前のチャートになってしまうがDBのポジショニングはS&P 500に関してはほどほどのポジションを維持している。裁量投資家はISMの景気のよさを見ながらフルポジションを張っており、一方システマティック勢は依然乗り遅れたままである。各指数先物の中で目立って値動きが悪いナスダックのポジショニングはだいぶショートに振れている。特にAM勢の豪快な投げが目立つ。

 テクニカルには週足が上ヒゲ陰線になってしまい、4000ブレイク待ち勢は少し失望することになった。ナスダックが弱くても金利上昇で上がるセクターもある、と開き直っていた指数は週後半にドライバーを失った形となり、3980は週足レジスタンスとなる。ナスダックの方は13000 -13600レンジが続いており、13,000サポートは金曜にも一度跳ねたため今のところ生存が確認されている。一方、下にブレイクしたら再びチャートが悪くなる。FOMCではFedが金利上昇を抑えるとの期待が薄れた。先週の記事で「失効が決まればSMCCFなどと違ってマーケットでリスクを圧縮する動きに繋がりそう」としていたSLR除外措置が無情にも3/31で失効が決まったことにより米銀の自社株買いが難しくなったが、近々計算方法の変更など救済措置が発表されるとのことである。1人1400ドルの給付金が配られ始めているが、それらが株式指数を持ち上げる期待だけではテクニカル未満の効力になりそう。一方株式市場の金利上昇への免疫が少しずつできているのも事実であり、ナスダックのポジショニングもある程度整理されたことにより、先週に続き依然下を売るほど喫緊な売り要因は見当たらない。ただ3980のレジスタンスの手前でロングの期待値が一旦低下するのは免れない。S&P 500は3980, ナスダックは引続き13600突破をもって上昇トレンド再開を確認できる。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。