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SXP Daily
SPX Weekly
 先週のS&P 500は週前半に再び下落したが、下値では自律反発した。先週の記事で「3980のレジスタンスの手前でロングの期待値が一旦低下するのは免れない」としていたが、実際月曜に上昇で始まった後は3980の手前まで伸びたところから反落し、3日間かけて3850まで調整した。しかし「株式市場の金利上昇への免疫が少しずつできているのも事実であり、ナスダックのポジショニングもある程度整理されたことにより、先週に続き依然下を売るほど喫緊な売り要因は見当たらない」としていた通り下値がどんどん割れる展開にはならず、「13000 -13600レンジ」を下にブレイクして「チャートが悪くなった」にもかかわらず自律反発した。金利への免疫という意味ではむしろ金利低下はリスクオフ、金利上昇はリスクオンという通常の相関に戻りつつあるようにも見える。
Nasdaq
 サポートを割ってから自律反発したものの、相対的にナスダックのチャートが弱い時間帯はまだ続いている。
ARKK
 もっとも更にハイパーグロースを集めたARKKの巻き添えからは脱出しつつある。「1人1400ドルの給付金が配られ始めているが、それらが株式指数を持ち上げる期待だけではテクニカル未満の効力になりそう」としていた通り、個人投資家の追加投資は限定的だったようである。しかしS&P 500もナスダックもこのセクターを見捨てつつある。

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 システマティック勢と裁量勢を合わせた機関投資家ポジショニングは最高圏に近付きつつある。これにより長期的なアップサイドは限定されつつあるが、直ちにクラッシュに繋がるわけではない。金利は10年1.6~1.75%, 30年2.3~2.5%程度のレンジで安定しそうであり、このレンジを更に上に抜けない限り悪さをしないだろう。

 テクニカルには先週の予定調和的な下押しで3850サポートを見つけることができ、週足上ヒゲ陰線を週足下ヒゲ陽線で返した形となる。四半期末を前にアウトパフォームした株から債券への年金リバランスフローが取り沙汰されているが、先週の引け前急落の日がそれに当たるのか。一方少なくとも引けピンになった金曜にはそれが見られなかった。今週はリアル月末に当たり、まだフローが残っているかどうかに注目だが、せいぜい3850より上で押し目ができるかどうか、というあたりではないか。ナスダックはネックラインの13000を再び割ってから再び取り戻しているが、このあたりで持ちこたえ続けられるか。S&P 500と比べて上下に振れるたびにアンダーパフォームしているようにしか見えないが、こちらは引続き13600を再び超えたら上昇トレンドへの復帰を見込む。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。