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 先週のS&P 500は引続き解説の必要もなさそうな棒上げとなった。一時は上昇の勢いが弱まったように見えたものの、金利も安定から低下に転じたこともあり週末にかけて再び騰勢を強めた。コインベースの上場が話題を呼んだが、ARKのコインベース購入のための換金売りがナスダックに入った。今後もARKが好きそうな大型上場があったら当日は指数ごと換金売りに押されやすいと覚えておけばよいのか。もっともフロー主導の動きは1日で終わった。
 
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  DBのポジショニングによると、果たしてVIXの低下に伴いVolコントロール型をはじめとするシステマティック投資家は上値を追いかけつつある。そしてそれ以上のペースで裁量投資家は株式ポジションをVIXショック前を遥かに上回る水準まで積み上げている。機関投資家ポジションは最も足が遅かったシステマティック勢を残して極まりつつあるわけである。
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 野村クオンツによるとナスダックが最高値に並ぶ中でCTAのポジションは2月や昨年夏のピークの水準までは伸びていない。これはつい先日まで指数対比でナスダックのアンダーパフォームが続いたのと整合的である。畳み始めたらそれまでだが、それまでにもう一押しできる余力があるか。
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 S&P 500の方はあきれてしまう。
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 個人投資家の方はというと、DBによると株、ETF、オプションの小口取引は急減している。これは「リオープンで株式投資家が減ってVIXが下割れ」としていた通りであるが、一方JPMによると現物のリテール比率はいったん下がりきった後に再び反発している。
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 実際、ロビンフッドはApp storeのダウンロードランキングで3月の圏外転落を経て1位に返り咲いたようである。
 テクニカルには先週に続いて新値に売りなしが続く。ナスダックは2月高値に再び近付いているが、途中経過はともかく最高値更新はヘッドアンドショルダー右肩ブレイクがコミットしているので最高値を背にした逆張りショートは踏まれやすそう。セルインメイ前の下旬という日柄に差しかかろうとしている割りには値動きが引続き強くやや驚いているが、「中旬に差し掛かりつつある日柄もあって先週よりは上値追いに対してやや慎重なスタンスに変えていきたい。ただ地合いとしては個人投資家がすっかり抜けてGAFAM中心の上昇となっており、であればマクロな悪材料があっても抵抗力が付きそうな雰囲気が強く、何か起きても急いで下値を叩く場面には見えない。むしろ1~3月と同様の予定調和的なガス抜き調整が来た方が緩やかな上昇トレンドの持続性が増しそうである」は維持する。
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 ファンダメンタルズの懸念材料は引続きエマージングと中国からの資金流出、また新興国を中心にコロナ変異種の拡大、そしていつ織り込みが始まるか分からない増税などである。米国の経済指標はどれもリオープンを反映して強いものの、4月に入って金利は安定化から低下に転じている。これはFMサーベイの記事で「債券は相変わらず不人気の極みにあり、従って今更物価指標などにも反応しづらく、あまりダウンサイドがあるように見えない」としていた通りであり、債券投資家がどんなマクロな悪材料を知っているかを懸念するよりも、金利上昇に伴うバリュエーション懸念の払拭という素直な解釈が優勢であるようだ。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。