SPX Daily
 先週のS&P 500は中国株の急落に一旦連れられる形で申し訳程度に調整してから全戻しした。独立記念日明けからの連日の中国株や中国ADRへの迫害で一旦はセンチメントが悪くなったものの、中国・香港株が金曜にイントラデー反転を見せると米株も大きく買われてS&P 500は当然のように過去最高値を更新した。とかくバーゲンセールの中国株に浮気したくなるものだが、いまのところ明確に「文句の付けようがないGAFAMをとことん引っ張りつつ、過熱感警戒でベータを落としたければ少しでも問題が出てきた組から順に蹴り落としていくのが最も居心地のよいポジショニング」という構図が続いている。先週の記事で「毎日史上最高値更新を長く続けるわけにもいかないだろうが、この強さでは売りも封印なので引続き押し目買い目線となる」としていた通り、押し目を目を瞑って買えばよかった形となる。

Global-Manufacturing-PMI-vs.-MSCI-ACWI
 中国に限らずグローバル製造業PMIはややピークアウトしている感がある。デルタ株を受けて新興国のリオープンがやや危うくなっている。ただこのあたりは少なくともGAFAMには届かないので確信犯的に無視されている。金利の方は無視していないが、株はむしろ金利上昇懸念が消滅したことを都合よく解釈している。今週は金融の決算が続く。金利収入以外にも収益源がある大手米銀の強さも目立っており、金利が低下してもテックとバーターで売られたわけではない。その結果指数は無双している。
NAAIM
 NAAIMは小動きであり、元々前のめりでもなかったので調整でもあまり焦っていない。

 テクニカルにはまたまた最高値更新で新値に売りなしが続いている。週足は調整を経ての全戻しなので下ヒゲ陽線となっており、下値での買いの強さを再確認しただけとなった。ヒゲの4290はサポートとなり、テクニカルには4290ブレイクまでは引続き買い目線で引っ張り続ければよさそうに見える。

 一方金曜の「中国株の下げさえ止まれば万事オッケー」なメッセージはショートカバーにしても自棄っぱちに見える。中国景気のピークアウト懸念など本ブログにとっては全くサプライズではないものの、すぐ否定したり代替ストーリーを考え出せるようなものでもないので1週間で消化し切れると見れるほど楽観的になるのは難しい。特に中国株の急落→当局が何らかの施策で支える→8月を迎える、という流れは2015年を想起させやすくあまり縁起がよくない。ではヒゲに向かって売りたいかというとそこまで弱さも感じられないものの、4290サポートをブレイクしたらそこで調整が深刻化すると見て切ればよいので押し目で作れたポジションは割り切って引っ張ってもよさそうと思いつつも、高いコストで追いかけて新規買いは作りたくない気持ちはある。インフレ懸念が消滅したのでテックが無リスクになった、とは引続き言えるもののそれくらいしか高値を追いかける根拠がなくなっている。
$SPX
 シーズナリティ的には7月の新高値更新までの上げは大体実現し、本気の追いかけ買いは9月以降の方が安心感がある。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。