

先週のS&P 500は月曜だけは調整が続行したがすぐに切り返し、連日の陽線から再び最高値を奪還した。先週の記事では振り落としの必要性に触れたが、週末の時点では既に振り落としが道半ばまで進んでおり月曜に下に窓を開けて寄り付き、そこが底となったので遅すぎて意味がなかった。「調整パターンに入った場合、下値目安としてまず視界に入ってくるのは3月以降毎回付けては跳ね返ってきた日足SMA50の4240となる」としていたが下値は4233と完璧に「SMA50を付けて反発」に嵌まった。5月以来「SMA50を付けて反発」パターンは3度目となる。週末にかけて中国ADRが更に売り込まれたが米株はこれを完璧に無視した。「文句の付けようがないGAFAMをとことん引っ張りつつ、過熱感警戒でベータを落としたければ少しでも問題が出てきた組から順に蹴り落としていくのが最も居心地のよいポジショニング」は小さな振り落としを経ても続いている。すっかり弱くなったラッセル2000もレンジ下限からレンジ内に戻っている。


VIXは一時25まで上昇したがすぐに低下している。先週の記事では「3月や5月に見られた20台後半までの振り落としが来ればその後年末まで安心できそうだが、そこまで行くかどうか」としていたが25まで付けたところでスパイクが終わってしまい、すぐに10台に戻っている。想定よりも小規模な振り落としでもカジュアルに20台半ばを付けた形となる。

春に間違ったインフレトレードで資金が流出したテックの買戻しは依然続いている。今週はGAFAMの決算が集中しているが決算前に踏み急いでいる動きにも見える。滑る方にベットするのは分が悪い上に、多少滑ったところで押し目にしかならなそうである。

NAAIMは週初めの調整で再び肝を冷やしてしまったので、しばらく踏みの時間帯になるか。
テクニカルには先週までの週足上ヒゲ陰線が下ヒゲ陽線にかき消されてしまう。久しぶりに解禁したショートについて「ターゲットはせいぜい4240を付けたらラッキーというところなので速戦即決が鉄則となる」としていたが、寄り付きから4240に近付いていたので意味がなかったし、万が一逃げ遅れると過去最高値まで即座に持っていかれることになっていたのでやはり速戦即決が鉄則、というよりやはり考慮しない方がよかった。というわけで再びショートは封印となる。「50SMAを付けて反発」が続いている限り、振り落としをはさみつつの緩やかな上昇トレンドは続いており、週足でも4230がサポートとなる。4400は上にブレイクされたので尚更である。とはいえ「8月のシーズナリティが湿気ている」のは変わらないので、どこまで安く拾えるか。先週の記事でも「調整後の買いのエントリーは値幅より日柄(シーズナリティ)に注目か」としていたが、先週に限っては日柄より値幅(50SMA)だった。
先週「デルタ株をはじめとしてリスク材料の方が多い」としていたのが一週間経ってみるとデルタ株はどうも個別の国の接種率が低いのが悪いという雰囲気にされそうであり、中国ADRも金曜のS&P 500の値動きと見比べても完全に局地的なクラッシュという扱いになっている。前者については米英の病院がパンクするかどうかにのみ注目か。後者はまた誰か大きく傷ついたファンドの名前が挙がってくると他の市場にも波及しやすそうだが、アルケゴスの時にも述べたように中国ADRがマイナーなユニバースであることを考えるとその展開にベットする価値があるかどうか不明である。今週はFOMCも控えており、株が下がっていれば注目のしようもあったが株も金利もひと相場やり終えたタイミングとなっている。6月のタカ派イベントを反省しない場合は短期金利の上昇要因となりそうだが、発射台もすっかり低くなっているのでよほど金利が荒れなければ株には材料視されづらそうに見える。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。