SPX
 先週のS&P 500も考える時間がもったいないくらい見事な夏休みでじり高で終わっている。金利や為替は大きく上げ下げしていたし、指数内でもそこそこローテーションがあったが指数ベースで見るとほとんど動いていない。出来高も薄くなってきた。心配する市場参加者は雇用統計の金利上昇もミシガン大学消費者センチメント後の金利低下も心配していたと思われるが、マクロは全く話題になっていない。

 SP-500-12-Month-Forward-PE
 今年に入ってほとんど動いていなかったバリュエーション。高いが今に始まったことではない。
SP-500-Index-and-U.S.-Corporate-High-Yield-Average-OAS
HYG
 株と比較してハイイールド債はスプレッドで見ても価格で見てもやや出遅れている。S&P 500とセクター分布が違うと言えばそれまでだが、S&P 500もHYが少ないセクターが突出してアウトパフォームしているわけではないのが気になるところである。先週の記事では「株よりもアップサイドが薄く金利上昇に敏感なハイイールド債すらクラッシュしていないのに株のクラッシュは期待薄である」としていたが、株のクラッシュを期待すべきでなかったのはその通りだとしても、正確にはハイイールド債は金利動向にかかわらず軟調さが続く。
NAAIM
 NAAIMはまたブルサイドに振っている。
VIX
 一方、理由がどうあれ指数が動かないのでVIXもどんどん下がってきており、裁定勢が買えなくてもステマティック勢が突撃する可能性が残る。

 テクニカルにはじり高が続く限り売りシグナルが出ようがない。週足の4370サポートは引続き生存している。シーズナリティは引続き弱い。株以外の各市場は正直リスクオフ感の方が強いが、株だけは強気さが突出している形となる。とすればここから高値を追いかけても何かの見落としだった場合ならアホらしすぎるし、かと言って先週と同様「VIXと目先のフローとテクニカルに逆らって予想で建てるショートだけは相変わらず危険である」

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。