先週のS&P 500は調整が優勢だった。先週の記事では「グッドニュースが二つ続いた金曜の日足は上ヒゲ陰線となっており、4720はレジスタンスであり短期的にはやり尽くした感も漂う。もっともだからと言ってすぐ慣性に逆らってショートを入れると焼かれるリスクが残るのは先週と変わらない。一方ロングは4720を目前に一旦様子見に徹してもバチが当たらないと思われる。シーズナリティは引続き年末にかけた自社株買い再開を背景に引続き非常に強いので、多少調整したところで下を慌てて叩く理由はない」としていたが、4715まで高値を付けてから4630まで調整したので「4720を目前に様子見」という日足ベースの議論は綺麗にワークした形となる。その上で週半ばの安値を見に行った後はどこで落ちているお金を拾うかだけの話になる。
射幸心を煽ったテスラはイーロン・マスクの税金捻出のための株式売却もあってやや下げたが、コール主導の株高がクラッシュしたと言えるほど調整したわけではない。
コール主導の株高といえばVIXも高止まり→システマティック勢が買えなくなる→クラッシュという連想が根強いが、今回についてはVIXが20までしか上がらなかったので悪さをするほどでもなかった。今回の2%程度の調整がたとえば毎月19日近辺にやってきていた月次調整(VIXが25まで上昇)と同じ規模感の調整だったわけではないことが分かる。
NAAIMは少し反落したが依然ユーフォリア域にあり、こちらを見ても月次調整よりだいぶブリッシュなままである。
今週も19日に向かう週なので引続きヘッドライン対比では下げやすい週となるか。ただ同じアノマリーでも少し時間軸を長くすると、そのあたりを通過したらすぐ年末ラリーが再開しそうである。
テクニカルには日足ベースでも高値を取って調整したという話でしかなく、週足ベースではよくも悪くもただの高値圏である。となると値幅よりも日柄という考え方になるか。「初押しは買い」からの、過去最高値の手前では再びオッズが悪くなりそうであり、再び19日に向けて下落してはじめてストレスなく押し目を買えそう。ただ下落する保証があるわけでもなく例によってそのまま上がり続けた場合の対処が難しいのでショートや売りは入れづらい。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。