SPX daily 
SP500 weekly return
 先週は本ブログが期待していた通り力強い反発となり、4550近辺から始まり4700載せで引けることになり、2月以来の週次リターンとなった。先週の記事では「このあたりでは目を瞑ってリエントリーしても、たとえもう一発下げが来たとしても大して怖くないように思える」と本ブログでは珍しく「目を瞑ってリエントリー」と大胆な表現を用いていた。「4700 -15850レジスタンスはもちろん健在であるがすっかり遠くなっており圧迫感がない。12/14 -15のFOMCがさすがにポリシーフェイルイベントにならないと仮定すると、その前後から年末に向けてアノマリー通りの堅調さに復帰する希望はまだ残るか」としていたが、実際の反発はこの時の想定より遥かに素早く12/14 -15を待たずに堅調さに復帰し、「すっかり遠くなっており圧迫感がない」という取り上げ方をした4700も一週間のうちにぶち抜いた。
 4700レジスタンスはさすがに一度はワークし、日足レベルの1%ほどの調整に繋がったものの、警戒されていた米国CPIを無事に通過した後の2度目のチャレンジでは突破された。
SP500 real earning yield
 CPIの高騰に伴いS&P 500の実質益利回りは1947年以来の深いマイナスになっており、これが今までマイナス転落したことは4回しかなく、いずれのケースもベアマーケットに終わったのだが当然全く材料視されていない。
VIX 
US put option volume
 指数が跳ねるにつれてVIXも30以上から20割れまで下落した。12/3には記録的な量のプットが購入されたようだが、みな紙屑になったようである。
TQQQ Flow 
Apple call option trade volume
 同時に、本ブログを参考にするまでもなく傍から見るとあまりにも分かりやすい買い場であったため、本ブログが急落前から「反発はしばらく個人頼りになりそう」としていた通り、ナスダック100の3倍レバレッジETF TQQQには記録的な押し目買いが入った。12/3に終わる週はアップルのコールも盛り上がった
NAAIM
Risky vs Sage Assets
 NAAIMは先々週下げなかったのが不思議であったが先週は木曜までに指数が反発したにもかかわらず遅れて悲観化した。この調整でリスク資産から安全資産へのシフトのフローもコロナ後で見ると極まっており、ここからは安全資産の方が厳しくなりそうである。
BofA Corporate Buyback 
GS US Buyback 
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 バンカメによると11月も最大の買い手は企業自身の自社株買いであったそうだ。GSも同様なフローを観測している。WSJも取り上げた。この自社株買いフローは例年のシーズナリティ通りであり、12/10にウィンドウが閉まるとされている
Nasdaq Breadth 
Nasdaq except 5 biggest stocks 
SP5
GS Retail Favorited Basket
BofA ARKK
 もっとも市場が満遍なくブルになったわけでもない。ナスダックは元より時価総額トップ5を除くと年初来深いマイナスパフォーマンスが続いてきたが、それに伴い200SMAより上にある銘柄はどんどん減っている。11月末のタックスセリングもあるようだが個人投資家が好む銘柄群のアンダーパフォームが深まった。もっともこれは「ナスダックが強そうに見えて弱い」と解釈するよりも、今のところシンプルにそういう銘柄群を回避しておけばよいという話に見える。

 テクニカルにはS&P 500は4700を奪還し、4500まで付けた調整局面が終了した形となる。引け値では過去最高値を付けたのがニュースとして流れているが、上にはまだザラ場のヒゲが残っており文字通りの過去最高値というわけではない。日足ベースでは週半ばの調整もこなした跡である4650もサポートとなりそう。シーズナリティ通りに自社株買いが止むと先週のような勢いの上昇が続くと期待するのは難しそうであるし、レバレッジをかけて押し目買いに突撃した個人も伸び悩みが見えてくるとポジション解消に動きやすくなるが、一方調整で振り落とされた機関投資家も下で控えているので、失速というよりは面白くないじり高という展開になるか。12/15のFOMCを前にすっかり相場が往復してしまった形となるが依然重要なイベントであることは間違いない。しかし、テーパリング加速アナウンスが既に織り込まれた中、よほど極端なことを言い出さない限りポリシーフェイルトレードも既に飽きられているように思える。ナスダックは分かりやすかった15850をまだ奪還できておらず、まだ日足ヘッドアンドショルダーが効いており15850レジスタンスは健在でS&P 500よりはややチャートが弱く見える。それでも週足下ヒゲとなった14900は当然サポートになるがやや遠い。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。