SPX Daily
 先週のS&P 500は弱めのレンジ推移となった。FOMC通過のファーストリアクションだけは本ブログの想定通りであったが、FOMC以外の日の指数は本ブログの想定よりもずっと弱く、じり高にもならなかったしサポートとして挙げていた4650は上下に何度も通過した。本ブログも取り上げなかったわけではない12/10の自社株買いウィンドウの終了は結果的に流れを変えたようにも見え、少なくともそれだけを重要視していればストレスがだいぶ減ったことになる。
Most shorted basket

 FOMC云々にかかわらず「ナスダックのチャートがS&P 500より弱い」ことだけは一貫してワークしており、ナスダックは先々週引け15630に対して弱気に設定していた14900 -15850レンジが完璧に決まり、週明けとFOMC後の2度の15600台は共に売り場となった。特に先々週までの「とりあえずハイグロを避けておけばよさそう」からGAFAM+テスラ総崩れに変わった。FOMCの直後などは金利がスティープニングしたのに合わせ金融へのシフトなども見られたが、金曜はそれまでの19日底に当たるクアドルブル・ウィッチングもあって全面リスクオフになり、一方で一周してそれまで弱かったセクターのショートカバーが目立った。

GS option call put volume
GS single name with high option volume
GS high option volume basket
 個別株をコール買いで追いかける流れはとっくに収束しており、それに従いGSのハイ・オプション・ボリューム・バスケットのアンダーパフォームが目立っている。それに代わって盛り上がったのは指数プットであり、猫も杓子もマクロトレードという様相である。
SPX and global liquidity
 ネタは当然金融政策である。株式指数の上昇を過剰流動性に支えられたものと考える参加者にとってFOMCがテーパリングに向かうとなるとアップサイドが面白くなくなる。
NAAIM
 NAAIMはようやく悲観圏まで沈んだ。値幅的には一番底の安値を更新していないのにセンチメントは二番底の方が悪いというのその逆より遥かに安心感があり、クアドルブル・ウィッチング通過と合わせて底打ちとなるのが綺麗である。水準も(やや接近の頻度が高いものの)ちょうど50SMAにタッチしたところで折り返す形となる。
VIX
 一方VIXは二番底(天井)どころか、12月月初の一番底に際しての35タッチに対してVIXはほとんど平常域の20近辺にとどまっている。VIXの低さはしっくり来ない。
FMS cash weight
 FMSのキャッシュ保有率は4%台から月初に観測された裁量勢の投げにシンクロする形で一気に5.1%まで跳ねており、こちらもNAAIMともマッチする。もっともこの構図は先週でも成り立っていたものであり、先週それを参考にしたのは間違いであった。
BofA DM Outflow
 同様にBofAの先進国ロングオンリーファンドへのフローも12月は大きな流出となっている。
SP500 drawdown and breadth
 テクニカルには辛うじてレンジ継続となる。ナスダックは引続き14900 -15850レンジの中にとどまれるか。割れたらそれなりに厳しい。S&P 500は50SMA -4725がそれに当たるか。FOMC直後に株が上がってあたかも無事通過したかのように一度なったのは筋が悪く、恐らく上の方にはFOMCを飲み込めていない勢が取り残されているであろうことを考えると、一旦は19日(今月は17日)通過でリリーフラリーになりやすいにしてもレンジ上半分では重さが残るか。FOMCは本ブログの想定などよりはだいぶタカ的だったとはいえ直ちに暴落に繋がるような内容ではないと思われるが、来年にかけていずれQTが盛大に話題になると思うとこの辺りで外して来年のどこかのクラッシュで買い戻せないことはないという自信が広がるにつれて、外した裁量勢がすぐに戻って来なくなる可能性も残る。レジスタンスはS&P 500の4725とナスダックの15850、サポートは首の皮一枚のS&P 500の4600とナスダック14900となる。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。