SPX daily 
 先週のS&P 500は一旦売られてから大きく反発し、それまでの週と合わせると大きなレンジが続いている。先週の記事では「ナスダックは引続き14900 -15850レンジの中にとどまれるか。割れたらそれなりに厳しい。S&P 500は50SMA -4725がそれに当たるか」としていたが、まず月曜にマンチン議員のBBB反対表明で早速下限を割ってしまう。しかしその後は本当に厳しくなるわけでもなくV字回復している。「一旦は19日(今月は17日)通過でリリーフラリーになりやすいにしてもレンジ上半分では重さが残るか」について、10日の自社株買いウィンドウ閉鎖に続いて17日のクアドルブルウィッチングと今月やたらと冴えていたアノマリーだけはトレンド転換の頼りになったが、レンジ上半分も軽かった。機関投資家の売りが一巡した後、自社株買いがなくなった代わりにマンチン・ショートが燃料になった形か。

VIX 
 FOMC後の調整に動じなかったVIXは正しかったことになる。二番底では27まで付けたが週末には17までVIXは下がっている。
NAAIM 
 NAAIMは久々の水準まで下がった後に少し反発している。先週についてはNAAIMの低さが再びネガティブインジケーターになったわけだが、次に下落を示唆しやすくなるのは再び天井域まで戻った後か。
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Unprofitable Expensive Tech
 FOMCでQTが一部で話題になったが、さすがに直ちに世界の終わりになったわけではない。テーパリング加速からはじまる金融引締めの雰囲気への対応の第一歩として、タックスセリングもあっただろうが、とにかく赤字テックからの撤収が加速したようである。
Mid Election Year SP 500 Seasonality 
Presidential election cycle
 アノマリー的には足元はとりあえずクリスマスラリー中ということになる。来年は中間選挙の年であるため、過去平均ではそれなりの調整に見舞われており、あまり腰を据えて上値を追いかけるような年ではないようだ。QTが控えているなら尚更である。高値で売って一度も買い戻せないまま置いて行かれる可能性は今年より低そうである。
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 とはいえテクニカルには今から来年を見据えてリスクオフに備え始めたくなるような雰囲気は特段感じられない。S&P 500は火曜に下値から見事に切り返したため週足は下ヒゲ陽線となり、4630が週足サポートとなる。クリスマスイブは休場となったが木曜引け値は過去最高値近辺に位置する。先週描いたレンジの上限にはあるものの、わざわざ年末にショートしたくなるような雰囲気でもないし、追いかけて新規ロングを建てたい感じでもない。ナスダックは実績の可動域が14860 -15700と、14900 -15850レンジと幅も含めて極めて似ていたが、「14900が割れると厳しい」としていたので少しずれたら致命傷であり、下ブレイクに騙されやすかった。ダウ理論的にもまだ上値下値切下げ中であり、15850は依然レジスタンスとして残る。もっとも小さなヘッドアンドショルダーの完成から日柄も経ってきたためだんだん印象が薄れて来るか。マンチン議員が本当にBBBを葬り去るならもう一度大きな押し目が形成されそうだが、そうでもなければ年末を前に大きく動きようもないので、とりあえず4630を背に緩く強気目線で構えつつ年末年始を過ごすことになるか。1月はFOMC議事録への反応も見たいしシーズナリティ的にも調整しやすいようなのでもう少し慎重に構えることになりそうである。

この記事は投資行動を推奨するものではありません。