SPX Daily 
 S&P 500は概ね先々週引け水準を中心に上下した。先週の記事では「元々の持ち合い上限にぶつかって日足上ヒゲ陰線で跳ね返った形となっており、そうなると当然次は下を試すという話になってしまい、それを阻止するには4730を上にブレイクしてこの形を否定しないといけない。ナスダックで言うと15200がそれに当たるか。次に週足も上ヒゲ陰線になったため4820もレジスタンスとなる」としていたが、月曜に一度下を試してちょうど12月からのトレンドラインに当たって下ブレイクに失敗したところで、再び上を試し以前の日足レンジをブレイクしたものの、それではまた伸び悩んでレンジ内に戻ってきた形となる。ナスダックは12月安値を中心とした推移が続いており上抜けどころではない。「ヘッドラインがなくても米金利が一段と上昇するだけで2021年の2個の天井を完全に塗り替えたとの印象が強くなり神経質さが増しそうなので、値頃感の割りにはあまりオッズがよくない」としていたが、月曜には早速米金利の高値更新が一段の調整に繋がった。もっともそれが一巡した後は小康状態が続いている。
VIX  
 VIXは引続き指数の値動きの割りには上がりづらさが目立つ。今まで「調整の底」近辺に位置していた50SMAは、実にカジュアルに往来されるようになった。つまり平常時でも上昇の勢いがなくなった代わりに、セクターローテーションさえ済んでいれば、どうしても外したくなるようなショックが来たわけでもないといった雰囲気である。
SOX
 日替わりで暴騰暴落を繰り返すSOXの値動きが象徴的で、上値目安が見えてきたためグッドニュースで上がったところは容赦なくポジションを外したい参加者がいる一方、一旦下がったと見たら下であえてぶん投げるほど余裕がない人は少ない印象を受ける。トータルすれば水平レンジという雰囲気である。
ARKK
ARKK Short Interest
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 一方、実質金利ショックの値動きに耐えられない参加者が多かったのは高バリュエーション・赤字経営成長株である。下も投げたい気分になった時はまずこのあたりから、という順序になっている。
NAAIM
 NAAIMはようやくやや下げた。楽観域にあった先週分は「押し目買いを正当化しない」としていたが、確かに先週は上を目指そうとするとややストレスが高く、ショートを入れても助かった。指数の位置が大して変わらなかったのにNAAIMが少しでも悲観化したのはグッドニュースである。
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 上の気合いが入ってそうなARKKショートも含まれるだろうが、GSによると日次ETFショートフローは9月末以来の大きさとなっている。恒大のヘッドラインで荒れた9月末の調整はその後しばらくして底を打っている。
Mid Election Year SP 500 Seasonality
 シーズナリティ的には最も厳しい1月前半は既に通過した。11月を除く最近の数ヶ月は19日近辺に向かって調整が優勢となり、19日近辺で底を打って上昇に転じている。今月も深く考えなければ今週後半にはアノマリーが有利に変わるだろう。1月FOMCは25,26に控えており、3月利上げがあるかどうかはそこでアナウンスされるため、金利については26日まで当てに行く価値がない。ただ言えるのは早期利上げ織込みに限っては限界近くまで来ているはずだということくらいか。

 テクニカルにはS&P 500の週足は実体が薄い上ヒゲ陰線となり、上値の重さが確認された形となる。2本目の週足上ヒゲ陰線であり、4750が新たなレジスタンスとなる。もっともSMA50をそれなりに下方乖離した水準では日足の下ヒゲを連発しており、指数が下値をブレイクして水平トレンドから下落トレンドに入るには一段の材料が必要そうである。短期的には4600 -4750レンジが目安となるか。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。