SPX Daily
 先週は戦争のヘッドラインに振り回された一週間となった。先週の記事ではレジスタンスが4490まで降りてくるので先々週対比で更にレジスタンスに向けて買い上げる必要性が薄れるとした通り、週明けから売られ続けた。これは完全にテクニカルがそうなっているというだけでヘッドラインは全く予想を超えるものだった。「ナスダックの13000は何が何でも死守したい水準であり、これを割ると週足で巨大なヘッドアンドショルダーになってしまう」としていたが、この水準は木曜ウクライナでの全面戦争開始に伴い大幅なギャップダウンで破られてしまい、一時大きく下落したものの、既にポジションが軽くそれまでの下落局面でヘッジも入っていたこともあり、むしろNYオープンと共に買戻しが始まった。金曜に停戦の望みが見えて来ると更に上値追いが続き、先週と同水準まで戻っての高値引けで一週間は終わった。週末の間は停戦への希望が後退し、一部のロシア銀行のSWIFTからの排除とロシア中銀の資産凍結が決定されたので、週明けは週末引けより悪化した環境下でマーケットが始まることになる。これは間違いない。

 「遠くの戦争は買い」とは言ってもそれだけで全戻しまではいかない。BEIがややインフレを懸念した一方、安全資産への需要復活で実質金利が大きく低下したのが一つ好材料となり、久々にゴルディロックス的な展開となった。不確実性の高まりに伴いFedの3月50bp利上げを織り込むのが困難になったし、ECBの引締めは更に挫折しそうにしか見えない。Fedについては3/2 -3にパウエル議会証言が控えており、その直前では上下いずれも深追いは避けるべきか。
Bloomberg QQQ Short 
Bloomberg SPY Short
Bloomberg HYG Put Outstanding
 SPY, QQQ, HYG共にETFショートは高水準のままである
NAAIM 
 NAAIMは2021年3月並みの低さとなっており、ポジショニングと同様かなり悲観に寄っている。これは再びの下落に対して燃料があまりないことを示唆する。不確実性が増しているのも事実なので早期の週末引け値近辺での上値追いは「そんなわけはない」の売りに押し返されやすそうに見えるものの、下がったところで投げるほどでは段々なくなってきたように思える。

 テクニカルには週足が長い下ヒゲ陽線となり突っ込み売り無用のチャートとなった。4115はサポートとなる。とはいえナスダックは週足ヘッドアンドショルダー形成後であり、14500が右肩レジスタンスとなる。S&P 500のチャートではそれが4600にあたるだろう。1月安値を割ったのでダウ理論的にも戻り高値を取れないと下落トレンドが続くことになる。もっとも、本ブログも含めて1月安値を割れなくていいのか?と懸念していた参加者はそれなりの数いたと思われ、割れたから改めて下値でどうこうしようという動きはチャートを見ても少数派であったように見えるし、下を投げる人があまりいない構図は今週以降も続きそうである。まとめると週足レベルでは4115 -4600レンジということになるがあまりにも広すぎて役に立たない。その内側では逆張り有利になったように見えるので、非常に雑に4200台は買い、4400台は売りという整理になるか。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。