SPX Daily 
 S&P 500は弱さが目立った一週間だった。本ブログは先々週はレンジとした上で、先週はレンジ内逆張りをやめて抜けた方に進みやすいとしたが、月曜から4270 -4420レンジを速攻で下に抜けそのまま下に走った。中でも大型、小型に限らずナスダックの弱さは続き、13000も平地のように蹂躙されている。
Bloomberg BEI
 米ドルの流動性は特に悪化しなかったが、原油と穀物の高騰に伴うスタグフレーション懸念で株の上値が重く、停戦に向けたヘッドラインで上がったところがその都度売り場になった。
GS Financial Conditon Index FCI 
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 GSのFCIは一気に2020年のコロナショック時よりも引締った。16日がFOMCの記念すべき今サイクル初の利上げ予定であり、直前に50bp利上げを織り込めなかったので25bp利上げになると思われる。次の注目は5月の利上げ幅に移っている。それまで政治的に矢面に立たされていたのが、インフレを放置しても引締めて株を暴落させても全部ロシアのせいにできるのでFedは完全に自由であり、その気分を我々は当てにいくことになる。ウクライナ方面は停戦まで一喜一憂が続きそうで、停戦は遠くないと思っているものの、先週の値動きを見ても停戦上げを当てに行くのはオッズがあまりよくない。
GS SP500 path in recession
 2月にS&P 500の年末ターゲットを5100から4900に引き下げたGSは更に4700に引き下げた。ダウンサイドは過去のリセッションの平均である24%ドローダウンの3600としている。足元は過去の10%調整のその後のリセッション平均よりもノンリセッション平均よりも悪く、これは利上げが控えていてFed BSもピークにあり、Fedプットが期待できないからだろう。ただ、それでも過去対比でダウンサイドの織込みがまだ浅いという水準ではない。引続き米金利のメジャーなテナーのインバートが引き起こす反射的なリセッション騒ぎに要注意である。
DB positioning
 DB Positioningはカットが続く。裁量投資家は過去平均まで戻っており、「株を手放すのが怖い」期間が終わったようである。
JPM Positioning
JPM Short Interest  
 JPMのポジショニングも米株は軽めである。ショート建玉ではテクノロジーが目立つ。
GS option expiration
GS option volume and open interest
 18日に再びオプションエクスパイアを迎える。最近あまりワークしていない日柄であるが、久々にそこそこの建玉があって、プットは買い方の大半がインザマネーになっている。18日まで弱く18日通過で底打ちというパターンが復活するかどうかに注目。
NAAIM
JPM Survey
 NAAIMは悲観域でやや回復しており、これは金曜の下げで再び悪化すると思われる。JPMのサーベイも押し目買い意欲が少し復活しているようであり、総悲観感からやや遠ざかった。

 テクニカルには本ブログは強弱の分水嶺を4600, 4490, 4420と下げてきたが、それらを一回も超えられずに続落しているのでテクニカル通りである。週足は先々週の上ヒゲ陰線が効き続けており、日足的には4300までレジスタンスが下げて来る。4420レジスタンスも健在である。下は4150がサポートとなるがやや時間が経った日足サポートなのであまり頼りにならない。ただこれまでもダウントレンドが続いたとはいえ、日替わりで強弱が入れ替わっており下を売ってしまうとちょいちょい踏まされている。先週はレンジ内逆張りではなくレンジの抜けた方に進みやすいとしており、実際下に抜けて下に走ったのだが、今週については今のチャートから逆張りを決めようとはあまり思えないものの、イベント、日柄、ヘッドラインが控えているので順張り深追いだけは再び避けたい。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。