SPX Daily  
 先週のS&P 500は一転して棒上げになった。4300、4200のレジスタンスが次々と破られた。一方「やや時間が経った日足サポートなのであまり頼りにならない」とびびってしまった4150は綺麗にサポートとしてワークした。ショートの深追いだけはいけなかった。
NDX Weekly
SPX Map
 中身もGAFAM先導と、我々が知っているいつもの米株に戻っている。ナスダック100はミームバブルが始まった2020年11月以来の週次上げ幅になった。
zerohedge Most Shorted
Non profitable tech 
 ショートカバーは恐らくFOMCがあった3/16に集中して発生し、赤字テックが1日の上げ幅としては過去最大を付けた。
zerohedge FRA OIS 
 ショートカバーの背景としては戦争終結への楽観論、FOMCの通過、そして米ドルの流動性の混乱が解消に向かっていることが挙げられる。米ドルの流動性問題の記事で取り上げたFRA -OISは再びタイトニングし始めた。特にこれといった支援策があったというわけではないが、株式などよりも回復が遅そうで「来たるべき修復局面において短期市場は先行指標にならない」としていたFRA -OISが意外な早期回復を見せている。これは流動性懸念で売り込まれていた領域(4150 -4300ボックスあたり)には戻ってこないことを示唆するだろう。
GS Option expire2
GS Option expire 
 トリプルウィッチングの18日では注目されていたオプション満期をややストライクのピークの上で迎え。それは「18日まで弱く18日通過で底打ちというパターンが復活するかどうかに注目」としていた本ブログの想定と全く異なる迎え方であったが、いずれにしろ金曜も棒上げになっている。
GS 60 40 Drawdown
FMS Cash
FMS Economy Pessimism
 FMSは債券が逃げ場にならないということもあり、キャッシュウェイトが歴史的な天井に近付いている。これはBofA FMSの5%のロングスレッショルドを遥かに超える。もっとも超えてからここまで来るのに2ヶ月ほど要した。原油高に伴い経済先行きへの悲観論が急速に大勢になった。先週初頭まで、ウクライナ戦争の停戦期待で上がったところがその都度スタグフレーション懸念など売り込まれた。原油の上昇を警戒しながら指数が売買されがちだったのもその背景による。
DB Consolidated Positioning
 DBの統合ポジショニングは先週に続き軽めである。パーセンタイルでは先々週の19%から13%まで下がっている。いずれにしろ、機関投資家のポジションが軽いのはここ数週間ずっと続いてきた構図である。それは今回の下落の論理を「説明」するのが簡単であったのと合致する。
NAAIM
 最もベアだったのが金曜から月曜にかけてだったということもあってNAAIMはやや反発したが、まだ底値圏である。
SP500 after consecutive gains
 3日連続1%以上の上げの後の歴史的には強いらしい。
SP500 mid term election year seasonality
 中間選挙の年の3月後半のシーズナリティは少し弱いものの、大局観としては4月まではそこまで心配する必要がなさそうにも見える。

 テクニカルにはとにかく4150がサポートとなる。先々週までの下げ相場ではちょいちょい海外時間の押し目買いなどで前日比プラスで始まったりもしたが「前日比プラス域」は都度都度売り込まれた。それが先週に反転しマイナス域から棒上げする日が続いた。レジスタンスは次々とぶち抜かれた。次の分かりやすいレジスタンスは本ブログが2月から取り上げ続けたナスダックの14500である。ここを上にブレイクできれはナスダックは史上最高値奪還が見えて来る一方、それだけ14500の手前ではアップサイドがどれだけあるのかという議論になりやすそうである。しかし少なくとも足元は上向きモメンタムの方が強そうであり、またそれはスタグフレーションまで議論した後では多少のヘッドラインでは反転しづらそうに見えるので、この前の下落の再現を狙ったショートは値頃感以外味方が少ない。ここからは押し目買い目線に転換することになる。アップサイドの目線を一旦ナスダックの14500と考えたとして、それまでにどこまで深い押し目を拾えるか。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。