S&P 500は週前半に続伸した後に反落し、週間としては小動きとなった。ロシア軍がキエフから撤退するとの発表で一時リスクオンになったものの、上げが一巡すると反落した。上海のロックダウンの解釈は一旦分かれたが、週末を経て悪化している。
反落するまでS&P 500は15日間で11%上げ、これはコロナショック以来の急ピッチな上げである。
BofAによると、10日のラリー幅で見ると過去のベアマーケットラリーの中で98%、過去のノン・ベアマーケットの中では99.5%に達する。
1927年以来のS&P 500の11回のベアマーケットの中の7回の間の最大10日リターンを超え、直前のドローダウンに対する10日間の反発幅は過去のどのベアマーケットよりも大きい。このラリー幅を見るとベアマーケットラリーの範疇を既に超えていると言われても納得してしまう。
DBポジショニングは反騰が始まった時点の13%から22%パーセンタイルまで復元されている。このラリー中に機関投資家のショートカバーが入っていたことを示唆する。
Barclaysが推測するリスクパリティの株βは依然低い。ポジショニング的にはまだまだショートが禁物である。
NAAIMは気持ちの方は既にブリッシュまで復元されていることを示す。これはラリー幅が既にいいところまで来たことを示唆しており、ここからは上がるとしてもじわじわとしたものになりそうということを示唆する。
久々にバリュエーション。S&P 500のフォワードPERは一時18まで調整したところで19.6まで反発している。ナスダックのフォワードPERは一時25割れまで低下していたのが再び28台まで反発している。名目金利が2021年対比で既に大きく上がっており夏からQTが控えている中でナスダックのフォワードPER 30台を再び買いたいかという問いかけになってくる。
6日夜にFOMC議事録が発表される。早々にカーブインバートはやっているしQT開始予定は5月アナウンスで固まっているのであまりサプライズが出て来なさそうと見ているが、果たして。
テクニカルにはナスダックの14500にずっと注目していたが、先週停戦のヘッドラインで上にブレイクされた。これは長期的にナスダックが再び12500を付けるより先に16210の過去最高値を更新しそうであることを示唆しており、冒頭で取り上げた「ラリー幅が大きすぎてベアマーケットラリーに見えなくなった」とだいたい同じことを言っている。しかし挙げた二つの水準と見比べても14500は大して割安にも見えず、ブレイクしたからそこをコストにレバレッジを上げて付いて行くというよりは押し目買い方針の継続を確認するイメージである。長いラリーの最後に停戦期待で上がったのが14500上方とすれば、その水準をすぐヘッドラインで上にぶち抜いていくのは難しそうであり、今後のアップサイドはあくまでもシステマティック勢に買い上げてもらう形になる。イントラデーの値動きが小さくなってヘッドライン相場から離れればそれが実現しやすそうである。S&P 500もナスダックも金曜引け近辺の買いのおかげで辛うじて週足上ヒゲ陰線にはならず、従ってS&P 500の4425は引続きサポートである。重視していなかったがS&P 500の4600は行きも帰りも空気であった。アップサイドは4700に近付いたとしてすぐ4800と過去最高値を狙いたいかと言われると相当微妙なので、まずは4425 -4650レンジを想定しながら押し目買いを進めることになるか。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。