先週のS&P 500は再びアップティックを叩く展開に戻ってきた。先週記事では「ポジショニング的にはまだまだショートが禁物である」「しかし挙げた二つの水準(12500~16210)と見比べても14500は大して割安にも見えず、ブレイクしたからそこをコストにレバレッジを上げて付いて行くというよりは押し目買い方針の継続を確認するイメージである。長いラリーの最後に停戦期待で上がったのが14500上方とすれば、その水準をすぐヘッドラインで上にぶち抜いていくのは難しそうであり、今後のアップサイドはあくまでもシステマティック勢に買い上げてもらう形になる」「アップサイドは4700に近付いたとしてすぐ4800と過去最高値を狙いたいかと言われると相当微妙なので、まずは4425 -4650レンジを想定しながら押し目買いを進めることになるか」としていたが、実働域は4450 -4593と4425 -4650レンジの少し下よりの内側となった。これまでのラリー中に散々分水嶺としていたナスダック14500のブレイクでは付いて行かないことが大事であった。週前半のラリーは2月前半と同様の2個目のピークの方が低いダブルトップパターンとなった。つまり1度目のピークで売りそびれた参加者が思う存分売れ、その分2度目の機会でも売れなかった参加者は後悔を引きずることになった。4425を背にした押し目買いの方は一旦決まったもののその後別にパフォームはしていない。。
DB Positioningは久々に裁量勢とシステマティック勢の内訳が流れてきた。裁量勢は過去平均までポジションを落とした後に押し目買いか追っかけ買いを入れており、システマティック勢は売り加速の後にショートカバーを少し入れている。しかし恐らくヘッドライン相場が終わっておらず、本ブログがかねてから重視してきた実績ボラティリティが大して下がっていないことから、そのショートカバーの勢いは裁量勢のエイヤー押し目買いよりも弱かった。エイヤー勢がまた何かのヘッドラインでフリップに転じた時、システマティック勢のショートカバーが(ちょうど運よく増えて)それをキャッチできるかどうか。
上昇局面ではやれやれのポジション解消が目立ったという。ラリー局面では一旦消えた、前日比プラス域を売り崩してくるパターンが再び散見されるようになった。
NAAIMは悲観からすっかり離れている。木曜までの値動きにもかかわらず楽観さが更新されており、押し目買いに安心感を与えない。
QTの発表などもあって金利がいよいよ上昇しており、株式のバリュエーションを押し下げにかかる。一方少なくとも今年分のEPSコンセンサスが反落する気配はないものの、EPSの上げが追い付いて来ないと再び前回記事が提起した「名目金利が2021年対比で既に大きく上がっており夏からQTが控えている中でナスダックのフォワードPER 30台を再び買いたいか」という問いに直面する。QTの現実化に加えウクライナ紛争は依然グダグダと続いており、上海のロックダウンは先週よりも悪化している。
テクニカルには週足が先々週作りそびれた上ヒゲ陰線となった。もっともS&P 500に限っては下ヒゲもそこそこあり、一方ディフェンシブさが足りないナスダックは再びアンダーパフォームした。S&P 500はレジスタンスが4600まで降りて来る。サポートは日足50SMAと週足50SMAが集まる4425は依然健在であり、一旦は4425 -4600レンジと見なせるか。4600手前では更にポジションを圧縮し、4600再突破で2月の「ダブルトップ反発終了」パターンの再現と決別したのを確認して初めて積み直せそうである。このレンジがいつまでワークするかは別として、神経質なバリュエーションと堅調なEPSの綱引きという構図は次のテーマがやってくるまで変わらなそうであり、それは中期的にもレンジ気味の推移を示唆しそうである。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。