S&P 500は週後半に急速に下落した。週前半の反発は「4月のオプションエクスパイアと4/18の納税期限は済んでおり、イースター明けに自律反発できるかどうか」と取り上げたシーズナリティに従った構図と思われる。その反発幅は本ブログの想定を超え、日足レジスタンスとしていた4475をブレイクし一時4510まで上昇した。しかし木曜の高寄り後の一直線の売り崩しは尋常な勢いではなく、上げの倍の幅も急落してしまった。
売り崩しのきっかけは、パウエル議長発言から始まった引締め加速懸念もあるだろうが機械的な売りはそのタイミングの前から始まっていたようにも見え、やはり(直近の動きに限らず)最近の金利上昇を受けてあまりにも指数のリスクプレミアムが潰れすぎて割高化したとの判断に基づく戻り売りではないか。金利上昇で金融はさすがにやられなかったものの指数を支えるほどではなかった。ディフェンシブの中でもヘルスケアなどはまだましだったが、インフレ懸念が話題になっている割りにはエネルギーも売られ、限りなく満遍なく下げているのも興味深い。中国株のクラッシュが少し現在進行形で人民元の下落に波及しており、これがもし加速したら一気に中国国外にインパクトが波及するため、ファンダメンタルズ重視の投資家を慎重にさせる。
GSのFCIはまだ緩和的という見方をされることが多いがこれは株があまり下がっていないからであって、株を除くとそれなりに引締め的になっているようである。
NAAIMは週前半の値動きに反応する形で、中立からやや楽観域に反発している。これが再び底辺域まで下がって来て初めて今回の調整が終われるのはないか。
シーズナリティ的にはタックスデーの4/18までが換金売りで弱く、タックスデーを通過すると上がりやすくなるはずだが、今のところ反発の方には従っていない。日柄的には前回の記事で触れた決算通過後の自社株買い再開とFOMCで反転できるかどうか。
テクニカルにはやや翻弄された感がある。元々ベア寄りだった前回の記事のイメージと比べると週前半の反発は強すぎ、レジスタンスを騙しでブレイクされた。S&P 500の4475だけでなく、ナスダックも13690をレジスタンスとしていたのが13710が反発の天井となり、そこから一直線に反落している。一直線の機械的な下落が始まった木曜高値4510が週足上ヒゲ陰線の上ヒゲとなり、再びこれがブレイクされない限りベアトレンドが続いている判断を取る。ナスダックは13710がそれに当たる。ナスダック週足は先日ヘッドアンドショルダー完成の後に右肩14500をブレイクしており、それは教科書通りには「再び12500を付けるより先に16210の過去最高値を更新しそう」という示唆を与えたが、目線のレンジを切り下げているうちに12500が再び近付いてきている。既に首の皮一枚であるが、もし12500を再び下にブレイクしたら上の議論が否定されるのに加え、更に大きな週足ヘッドアンドショルダーが完成するためしばらくかなり持ちづらくなる。一方それまで12500は一応サポートであり、オッズ的には300ポイント分を狙って売っていくのも微妙であるが、仮に何かの拍子で自律反発してヒゲの方が近くなると、これまでの値動きを見ても売れるようになりそうだ。買いは懲りずに再び上ヒゲ奪還を待つこととする。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。