SPX technical
 先週のS&P 500は行って来いとなった。「金曜は金利上昇を無視してS&P 500だけが上がっているので週前半は調整しやすそうに見えるし、過去もOp ex直前の週が最もリターンが悪かったので多少の押しがあっても、3800~3875が守られる限り驚くべきではない」としていたが、週半ばの下押しはまさに3875手前の3885で跳ね返った。週足下ヒゲの3875ではなくキリがよい3900をサポートに考えていた市場参加者は困惑しただろう。上値では「4050 -4100がレジスタンス」としていたがこちらには届かず4015で日足上ヒゲ陰線を作って反落している。上昇していた米金利自体は、水曜の日銀のYCC継続を受けて大幅に低下し、更に米国の小売売上高が滑ったのを受けて大幅低下に転じた。それでゴルディロックス相場になるかと思いきやそういうわけでもなく、週央は株安金利低下、金曜はOp exを通過したこともあって一転して株高金利上昇となっている。物価上昇減速のパスはいよいよ確定的になったので中銀関係者発言ももはや材料視されず、テーマが物価から成長懸念に転ずるのにつれて株と債券は逆相関に戻りはじめたように見える。同時に、戻り売りから押し目買いの地合いに変わったとの声も見られたが果たして。
SP500 heatmap
 分かっているのは、大きな上下動を経て結局「上がらないのがポリコレ」であるメガテックが買われ、ディフェンシブが売られたということである。GOOGLのリストラ好感や決算を通過したNFLXの割安買いが目立った。昨年の地合いから色々と変わるのか。
BofA FMS US Equities
BoA FMS risk level
 BofAのFMSでは米株のオーバーウェイトが21世紀の中で珍しい水準まで落ち込んでいる。一方、リスク水準は極端な圧縮から戻し始めている。
NAAIM
 NAAIMは一旦落ち込んだものが急速に改善した。これは4000より上で突撃してもあまり面白くないことを示唆する。
LQD
 LQDはすっかり強気なチャートになっており、これを見ていると株が債券対比でも相対的にバリュエーションが高いとはいえ、ショートできるような雰囲気ではない。
Earnings whispers
 時間帯としては引続き決算期に差し掛かっており、テックはMSFT、残りは少し半導体関連に傾いている。直撃したらアホらしいで引続き引け間際が最もオッズが悪いが、S&P 500ベースで1日2%以内のクラッシュならやり過ごした後は買えそうである。
zerohedge SP500 trendline
 テクニカル。zerohedgeが雑トレンドラインを引いているように、アメリカ人も注目する水準に差し掛かっていることは間違いない。3875のサポートは完璧にワークした。上値では4050 -4100は引続きキーであり、このゾーンを突破できたらトレンド転換と単純に考える人が増えそうである。4000のブレイクでも十分、と考える参加者もいるだろうがさすがに4000より上は戻り売りとの声も根強く、万が一騙しになったらアホらしすぎる。現に先週の週明けはそうだった。分かっているのは、今まであっさり跳ね返されてきたこの長期トレンドに果敢に複数回チャレンジして巻き付く勢いが、直近だけでも12月以降でまとめても昨年より強まっているということである。3875を再び下に切ったら日足がヘッドアンドショルダーになってしまうので、さすがに4000はかなり重いレジスタンスになりそう。3900台は3875を背に押し目買いがしやすそうである。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。