先週のS&P 500はイースターを前に小動きとなった。基本的にはディフェンシブが優位で指数は雰囲気ほどは下げず、4070で跳ね返ると再び4100に載せている。先週の記事では「上値追いをした挙句に3950との間のドローダウンで焦るのが最もアホらしく、最良の買い場はあくまでも先週であったことを認めるべきである。ここからは再びCTAのショートカバー狙いくらいしかできない領域に入る」としていたが、ドローダウンも(ナスダックはともかく)S&P 500ベースでは大したこともなかった。全体的に経済指標は悪く、イースター休場中に発表された雇用統計だけは緩やかな悪化を好感されそうな結果となった。
ナスダックの直近のパフォーマンスとHYGを並べると2023年に入ってからナスダックのアウトパフォームが目立つ。
それは言うまでもなくFed BSの拡張へのリアクションであった。もっとも肝心のFed BSは銀行危機の緩和に伴い再び正常化しつつある。このようにショックに対するFedのリアクションは(口嫌BS正直ではあるが)健在なので、債券による株式のヘッジ機能が復活しただけでなく、ショックの値動き自体もスムージングされた形となる。
not QEが強力すぎたのか、マクロ不確実性を表現するMOVE対比でVIXも上がらなかった。
NAAIMは楽観に振れ続けており、アップサイドも縮まりつつあることを示す。今はブルでもあくまでもGS CTAのショートカバー待ちであり、チャートがレンジ上限に近付いたのを見てにわかに元気を出すファンダメンタルズ・ブルにだけはなってはいけない。
もうすっかり注目度が下がっているが4月下旬にもう一度決算期を迎える。CPIは注目度が下がっている。議事要旨も控えているが中小銀行危機中の会合なのでホーキッシュイベントにはならないだろう。
テクニカル。ナスダックは再びボトムからの20%ラリーを演じているが、前回の7月までの20%ラリーも特に底打ちに繋がらなかった。先週は小動きだったためあまりインプリケーションがなく、引続き全員で4月のシーズナリティのよさに頼りつつGS CTAのショートカバーを待ち構えることになる。4070は日足ベースの軽いサポートとなるが、もし週明け4070を割ったら続落リスクが高まる。冒頭の日足で黄色で示したように、押し目もなく駆け上がった後の初押しは買えるものの、日足の大陽線を再び否定されたら初押しの押し目買いをトラップしたまま続落するパターンが多かった。不確実性がすっかりなくなった後のじり上げレジームとは違い、まだ上がる時の方が「勢い」を必要としているフェーズではある。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。