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SPX Technical 
SP500 heatmap
 先週のS&P 500は押し目を作った週間となった。4150ピンから離れた指数は一度4050まで下落し、そこから反発した。先週の記事で述べたようにショートの方がエントリーは分かりやすく、代わりに値幅は出なかった。「4月前半ほどにはショートはリスキーではなくなっていると見るべきではないか。ただ慢性的な低Volレジームから抜けない限り下値は堅く、ショートはタクティカルにはワークするかもしれないものの、大して伸びないとは思われる」としていた通りの展開となった。もっともあえてタクティカル・ショートでこの下げを精密に取りに行く必要があるほどでもなかった。下を叩いたところでMSFT、METAそしてAMZNの無難な決算が続いた。またしても年初「これだけはアウトパフォームしない」と散々言われていたGAFAMがアウトパフォームした。へたに下を試してベアトラップを作ったせいで週末にかけて盛大な上昇相場となった。金曜にはFRCはすっかり潰される流れになったが、たとえ材料視されたとしても一瞬であった。久々に金月処理を警戒すべき日柄になったと言えなくもないものの、土日の間にFRCの買い手が複数上がっており特段バッドニュースも出なさそうな流れとなっている。
GS Systematic macro positioning
GS Vol control and Risk parity positioning
 最近はGSのシステマティック・ポジショニングがよく流れてくる。GS自身はクオンツ系の買いが弾切れになったと結論づけている。しかし毎週くどいようだがリアライズドVolが上がらない限りシステマティック系の買いは続く。久々に見たリスクパリティなどは昨年より遥かにポジションが重くなっているが、これは債券による株式のヘッジ機能が復活したためであり不思議ではない。VolコントロールとCTAに限るとバイヤーではなくなるだろう。後者は先週の売りにも登場したのではないか。実際先週の売りはややしつこかったが、結局決算を見た他の投資家がキャッチしたことになる。
DB 10d realized vol
 10dなので厳密にはVIXの1ヶ月と期間が合わないが、リアライズドVolの低さはVIXの低さを正当化する。実際、値動きだけ見ていると明らかに2022年より前の「押したところは押し目」相場が戻ってきている。
BofA EPS revision
BofA Earnings by sector
BofA beat or miss reations
Bloomberg 1Q23 and 2Q23 earnings concensus
 S&P 500の決算期は65%通過と佳境に入っている。全体的に1Q2023の決算は期待が低すぎて最後に上方修正させられることになった。これにより2023年EPSコンセンサスも少し底打ち反発の様相を示している。ガイダンスは慎重さが目立ち、値動きとしてはビートでもミスでも限定的となっている。
Factset CY23 bottom up EPS
 週末の指数の上昇は2023年EPSコンセンサスの上方修正に伴うものであったと見られる
GS SP500 Seasonality
 シーズナリティは4月が終わってやや不利になっている。
NAAIM
 NAAIMは週前半の値動きをしっかり反映してベアになっており、これだけ見ると目を瞑って買える。
Earnings whispers
 まとめるとブル要因はEPSコンセンサス(これでとにかくショートは禁止になる)とNAAIM、ベア要因はCTAポジショニングとシーズナリティということになる。今週はまずISM, JOLTといったマクロ指標から始まり、FOMC, ECBと中央銀行デーが続き、残っているアップル決算の後に雇用統計が続く。運よくFRCの処理が直前に来たのでまだ銀行不安は続いているということでFOMCはダビッシュ・イベントになりやすく、ECBはホーキッシュイベントになりやすいと安直に見ているが果たして。アップルは今シーズン最後のビッグイベントとなるが、またクアルコムのコールあたりからカンニングできるかどうか。

 テクニカルには週足は上ヒゲ陰線を下ヒゲ陽線で返した形となる。先週の記事では4170をレジスタンスとしていたが、週末引けは4169まで上昇して止まっている。もっとも跳ね返っているわけではないのでレジスタンスがワークしたのか、貫通される瞬間でしかないかは月曜にならないと分からない。前者だったとしても下ヒゲ陽線で返されたので理論的には4170レジスタンスは消滅しており、代わりに4050がサポートとなる。ナスダックも2月から続いた12200の水平レジスタンスに差し掛かっており、このゾーンをしっかり抜けられれば脱2022年を確認できるだろう。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。