NVDA Meme
SPX Technical
 先週のS&P 500は一旦調整した後に上げ直した。先週の記事でポジショニングやセンチメントは整理していたが、別途テクニカルだけで「日足上ヒゲ陰線でもないが金曜高値の4213は一度分水嶺として意識してみたく、その手前で高値を追いかけるのは控えたい。本ブログは4200を軽視してきたため抜けたことも材料視はしていない。債務上限の話題についてはポジショニングがたまたま"グッドニュースに脆弱"だっただけで、まだ本当にグッドニュースが来たわけではない。もっともポジショニングは重くないので何かヘッドラインが流れて調整に入ったとしてもせいぜい高値圏でレンジを作る程度だろうとは思っている。ただし例のごとく1日2%以上下げたらしばらく静観に。引続き4048はサポートとなる」としていたのは先週の展開を一字一句違わず正しく予想できたと言えるだろう。4048を背に、と考えたらあまり遠くない水準までは押し目が届いた。
Bloomberg SPX Risk Control Exposure
 週前半は連日下落が続いたが、1日2%の下落だけは見られなかったため大崩れにはならなかった。リアライズドVolは低迷が続いているため、システマティック勢はポジションをある程度持っていても売りに回らない。前半の弱さの背景は今一つ整理が簡単ではない(日本株が5/23の10周年記念で利食いに押されたのがきっかけか?)が、転換点になったのは明らかにエヌディビアの決算であり、その後はどれだけアホになって買えるかの勝負であった。
WSJ Nasdaq and SP500
 NVDA決算後はナスダックの上げが圧倒的だったので、S&P 500ベースでは先週末の水準に戻ったにすぎないが体感ではもっと上がっている。
Bloomberg big tech call volume
Citadel Average Daily move in AMZN AAPL TSLA
 4月以降毎金曜にはラージテックのコールが盛り上がりがちだったので、金曜は慣性だけでも上昇できた。曜日ごとの平均リターンを見ると月、火に売られやすく週半ばに押し目を拾うリズムがワークしやすいか。
GS SP7
zerohedge SPX vs equal weighted
Bloomberg SPX equal weighted and Nasdaq
 5月の堅調さは一部のメガテックに集中している。もっともこれは今に始まったことではなく、2023年に入ってからS&P 500のリターンは再びSP5にテスラ、エヌビディアを加えたSP 7の上昇で作られた。残りのS&P 493の年初来リターンは+1%であった。昨年末にはあれだけ「大型テック一人勝ちの再来だけはない」と言われていたにもかかわらず、S&P 500はイコールウェイトS&P 500を大幅にアウトパフォームした
Bloomberg SPX 12m forward EPS
 フォワードEPSは上昇に転じており、これが上を向いている限りショートは禁物であるとしてきた。それだけでなく、EPSが伸びていると2022年のように金利上昇の影響さえ受けるとは限らない。
GS Debt limit
GS Bill curve
 債務上限。前々回の記事から述べてきたようにポジショニングはグッドニュースに対してペインなので、交渉期限が6/1から6/5に伸びたことも上昇要因になった。米国債のデフォルトリスクをT-Billのカーブが表現しているが、25日には少し警戒が剥落している。週末には大統領と下院議長の間で原則合意が達せられ、次は法案提出を経て5/31に採決を行うとされている。
MS HF net Leverage
 モルスタによるとHFはネットレバレッジを急速に回復させている
DB Positioning Nasdaq100
 DBのAM +HFナスダック100先物ポジショニングも同様の傾向を示す。
JPM Positioning by region
 4月以降、APAC株から北米株への資金流入が目立っている。中国の景気減速発の圧力はデフレーショナリーではあるが、目下起きているのはあくまでも米株への逃避であり、米株に悪影響を与えるにはもっと目立つようなイベントを待つ必要がある
NAAIM
 NAAIMは週前半弱かったこともあり依然慎重であった。木金と強気になっている可能性もあるが、この水準が続くなら先週に引続き「これだけ見るとロングに全く懸念がない」ということになるだろう。現にいまだに直近のラリーをベアマーケットラリーとしている意見が根強い。本ブログなどは昨年(奇しくも同じ水準に来た時に)底を打ったかどうかには興味がないとしていたが、ベアマーケットラリーであるかどうかにも興味がない。

 NAAIMに限らずテクニカル以外は概ね先週の記事の延長になるが、最後に先週の値動きを細かく規定したテクニカル。週足は長い下ヒゲ陽線になった。先週安値の4104は新たにサポートとなる。安易な値ごろ感ショートは引続き危険であり、週半ばまでに調整があれば4104を背に押し目買いを進めていけるだろう。議会採決と重なる月末に向けてMtdで債券を大きくアウトパフォームした株式を一旦利食いに出る動きが出るかどうか。4104を割り込んだらまた新テーマで動き出している可能性が高い。上値余地はオープンである。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。