
S&P 500は前回の記事の想定よりも遥かに堅調で、「何事もなかったかのように」4440を通過して上値を伸ばした。インフレが話題にならなくなる中でCPIは順調にディスインフレーションが進んでいるためイベント通過のリスクオンとなった。その後は出遅れていたセクターを中心に高値追いが続いた。4%を超えていた長期金利はあっさり3%に戻ってしまった。4%超えはリセッションになると信じていた勢のロスカット、それもデルタではなくフラットナーのロスカットが付いただけのようで、代わりに特にいいニュースもない中で短期金利が大幅に低下した。従って金利側のインプライドVolがそれ以上上がらず当然株側にもショックが伝播しなかった。



一週間前のものとなってしまうがDB positioningが見つかっている。CTAのポジショニングは極端に重くないものの、過去数年で見ても天井圏に来ている。上昇よりも下落に付いていきやすい体制は続くが、それは誰かが下落トレンドを作ってからでないと始まらない。統合ポジショニングは急上昇しており、これは今更リセッションが来ないと言い出した裁量勢の仕業だろう。

GSのシステマティック勢ポジションはかなり重くなっている。

裁量勢に加えて上値を買っているのは個人投資家と思われる。その証として2022年以来ここまで鳴かず飛ばずだった赤字テックが7月に入って急速にキャッチアップしている。


金融を皮切りに決算シーズンに入る。マージン悪化はこのあたりでボトムアウトするとされており、高値警戒感があっても具体的にどこが決算が滑りそうとは警戒されていない。実際いまさら大滑りするとも思えないものの、一方でJPMなどの決算後の値動きからよい決算でもあまり上には吹っ飛ばなさそうな気もしている。為替は急速に進んだドル安のおかげで為替が久々にあまりネガティブに働かなくなる。通過すると自社株買い解禁シーズンになるが、そろそろ調達金利が株式の益回りに近付きつつある中でどこまで自社株買いをやれるか。

NAAIMは総楽観が更に進んでおりチキンレース度が高まっている。

これまで最大の味方であったシーズナリティは7月後半に差し掛かると少し減速し、夏バテに入りやすい。
テクニカル。どうも金曜の日足が上ヒゲ陰線になる場面が多く信用ならないが、金曜上ヒゲの4527がレジスタンスとなる。ここまで週足が週替わりで陰陽が続いていたが次は陰の番か。そういうパターンならこれまでの陰の週は前の陽の週の安値を割って来なかったので4390は安値目安になるか。従って高値を追いかけるほどではないものの、まだ下値を叩くほどではない、下値はまだ拾えるといういつも通りのつまらない結論になる。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。