SPX technical
 S&P 500は大幅に続落した。週明けは一度ナスダックの押し目買い主導で反発したがナスダックの50SMAで上値を抑えられ、そこから一直線に続落した。小売売上高は大方の予想通り堅調で、金利上昇を招いたため指数は下落した。更にフィッチによる銀行セクター格下げの可能性で金融も買いづらくなった。議事要旨も金利低下イベントにはならず株式の底割れは加速した。
Bloomberg China exposure
 中国の景気悪化関連のニュースはこれまで中国経済に疎い市場参加者に「従って景気対策が出る」という頭の悪い捉えられ方をされてきたが、先週になってやや無視しづらくなっている。海外市場に効果が染み出るような景気対策が出たことがこれまでもなかったが、今後もあると考える理由がない。もっともそういう意味ではとどめとなりそうに見えなくもない恒大のチャプター15申請は中国・香港株を暴落させてきただけで、米株は久しぶりに中国・香港株からデカップリングされる形で無視した。
BofA real yield 
 金利上昇と共に長期実質金利が久々に2%を超えたのもネガティブに捉えられた。いくらマイルド・インフレが名目値であるEPSにフェーバーだからと言って、それ以上に長期金利が高ければバリュエーションの発散には繋がらない。
GS CTA
 ずっとフォローしてきた通り、GS CTAは断続的に売ってきている。フローが見えないので実弾の売りが誰によるものか知る由もないが、CTAの売りがあると思って用意した方が有利だったことは間違いない。GSのメインシナリオではCTAの売りは8月いっぱい続くことになっている。前回の記事では「一旦トレンドそのものまで下向きになると満タンになっていたCTAの売りから逃がれられる可能性は低下する」としていた警戒は依然有効であると考えるべきだ。CTAは順張りなのである程度相場が戻せば止むだろう。
DB CTA positioning
 DB PositioningでもCTAの株式エクスポージャーは高値圏から少し転換した形になっている。
DB vol control sensitivity
 一方これまでまだ見られていないが、1日2%を超える下げがもしあったらVolコントロールが炙り出されるので一旦下値を警戒すべきである。
DB Systematic and Discretionary Positioning
DB Mutual fund and HF equity Beta
 投信とHFが依然買い遅れ二大巨頭である。
DB put volume
DB put call ratio
Bloomberg Rising Appetite for Puts
 相場が下落トレンドに入るにつれて指数を中心にプット出来高が増えている。ただの調整局面であればプット・ボリュームが盛り上がった後はショートカバーニーズも高まりやすいが、果たして。
GS prime book ETF short flow
 GSのプライムブックでもETFショートフローが見られた。これも潜在的にショートカバーニーズに転換し得る。
Citi 0DTE call put ratio
 0DTEを本ブログは長らく低Volレジームを自己実現させる退屈な存在として描いてきた。しかしリアライズドVolが上がってもインプライドVolが上がりきらない環境下では、プット買いの0DTEが攻撃力を持ち始めてもおかしくない。現に先週の下落局面では4400プットの買いがディーラーにガンマ・スクイーズを強いて4400ブレイクを後押ししたのが目立った
GS Emini market depth
 マーケットに少しストレスがかかるとすぐE-miniの流動性が低下してしまう。今のところそれでも2022年よりは流動性が高いが、2022年レベルまで落ちると2022年レジームのVWAP売りがNY引けまで指数を押し下げ続ける動きが多発しやすくなる。
Citi stock return on EPS beat miss
Bloomberg SPX performance during earnings season
 決算前にあまりにも指数が脳死で上昇していたので、決算でビートしても上がらない現象はフォローしてきた通りである。最初はそれでも押した後の押し目買いが優勢だったが、結局あまりにも強い同じ傾向が積み重なったため、今回の決算シーズンの指数パフォーマンスは過去対比でも悪いものになっている。景気が強いだのディスインフレーションだのというマクロだけからの雑なブルストーリーでは高値圏で決算期を越せなかったのである。
NAAIM
 NAAIMは悲観化が続く。結果的にはこれが100を超えたあたりが当面の天井になっており、その時にはどんな後追いブルストーリーが沸いても耳を貸してはならなかった。今はその時と比べてすっかり悲観化しており、前回の記事でNAAIMだけ見て「調整は既にいいところまで済んでいる」と判断したのは間違っていたが、今でもNAAIMは売りを示唆しないのは変わらない。
Insider Transactions Ratio
 投資家と違ってインサイダーはあまり売りに回っていない。
Equityclock SP500 seasonality
 NAAIMが使えなかった代わりに明らかに「値幅より日柄」の局面になっており、「日柄的には、ネガティブガンマが下値不安を作っているとすれば、それが変わりやすいのは18日のOp Exではないか。更に24日にNVDA決算が控えており、それまでにAIバブル崩壊の流れが続くならそこで反転しやすいか」としていたのは、Op Exを通過した18日の値動きだけ観察すると「そういう流れの変わり方」をしている。それまでは引け近辺にかけて売りに押されやすかったのが、Op Ex後には見られなかった。一方今週はNVDA決算とジャクソンホールが控えており、全てのリスクイベントを通過したわけではまだない。NVDA決算は過去の経緯からも滑りづらそうと思えるものの、期待も高くなっている。ジャクソンホールは個人的にはいつものように大した話は出て来ないとは思っているが、もし地合いの脆弱さが続く限り、例えば急落や急ラリーの後に迎えるなら跨ぐ価値があまりないし、逆に横ばいでリアライズドVolが収縮した後ならイベント通過をきっかけにショートカバーが入りやすそうである。そのあたりの日柄を通過すれば8月末から9月にかけてシーズナリティも改善してくる。

 テクニカル。50SMAはがっつり突破されており、下値は6月安値の4328に近い4335まで伸びた。これで4328 -4335間に簡易的な週足の水平サポートが形成される。実際「Op Exで底打ちした」か「Op Exを過ぎても底打ちしない」の2通りのシナリオのどちらになるかが大事になっているので、Op Exの安値がサポートになると考える価値はある。もっとも週明けあっさりブレイクされたら再び下値余地が広がって来るし、もし4335から一旦反発した後に改めて下にブレイクされると、3ヶ月にわたる大きなヘッドアンドショルダーが形成されることになる。レジスタンスは50SMAの4450が反発の目安にされやすそうである。先々週の週足ヒゲ高値の4527もレジスタンスとして残るが、やや遠くなっている。先週は4490まで跳ねたところがリスクの落としどころとなった。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。