SPX Technical
SP500 heatmap
  S&P 500は金利上昇の影響で連日弱かったものの、安値圏でレンジを形成した後も下抜けはせず、金曜にショートカバーが優勢になった。週末の米国の政府閉鎖回避のヘッドラインが流れたものの、先週の記事で取り上げた「下値はまだ固まってはおらず、S&P 500とナスダックの金曜高値4350 / 13400を超えてはじめて反発に入ったと認められる。それさえも超えられなかったら先週後半のショートカバーはS&P 500のヘッドアンドショルダーのネックラインで反落したと見なされてしまう」パターンに入ってしまい、連日NY時間は売りに押された。ディフェンシブの方が高金利に弱かったため、ヒートマップは一周してメガテック優位のゴルディロックス的な様相になった。
GS SP500 30y correlation
 「S&P 500の債券化」に伴い、S&P 500と30年金利の3ヶ月相関は久々に強いマイナスになった(金利が上がるとS&P 500は下がる)。JOLTS, ADP, NFPの3つの雇用統計に指数も振り回された。金曜の雇用統計の初動は金利上昇となったため同時にS&P 500先物もクラッシュし、その後金利がピークアウトするとS&P 500は更にラリーした。雇用統計はパートタイムの増加と時給伸び悩みと、表面上の数字とは裏腹にディスインフレーショナリーであり、その反応には最近の相場では珍しく数時間かかっているため、入ってきたのはそれなりに足の遅い投資家であったと推測される。
Bloomberg Israeli Stock Market
 週末のうちにハマス・イスラエル戦争が勃発しており、週末にオープンしているイスラエル株式市場は大きく下落した。これが他の市場に影響を与えるかどうかは地球を一周してみないと分からないが、地球を一周しても大きな反応がなければ通過したと見なしてよいだろう。
GS CTA positioning
GS CTA Estimates
 GS CTAは本ブログが追ってきた通り、9月末から10月月初にかけて大幅に売っている。これによりCTAのポジショニングは2022年や2023年春の株安局面並みの低さまでショートに傾いている。このポジショニングも踏まえてGSは10月に入ってからのCTAの売り余力はもう少なく、むしろ買戻し余地の方が大きいとしている。
DB Positioning
DB Vol Control positioning
 一方DBのポジショニングは9月末時点にはCTAは少し売っただけであり、裁量勢よりシステマティック勢の方がまだポジションを落とせていない。Volコントロールも少し振り落とされている。
GS Liquidity
 不確実性の高まりと共にGSのS&P 500先物の流動性は再び悪化し始めたが、3月のSVBショックの頃と比べるとまだ大したことない。
NAAIM
 NAAIMは総悲観が続く。CTAと裁量勢が双方、ポジション復元待ちということになる。今週はCPIとPPIが控えているが、これらの指標は最近あまり大きな影響を与えて来なかった。
Insider Transactions Ratio
 株式投資家と違って企業幹部など内部関係者の売りは10月に入って減少した。

 テクニカル。週足が下ヒゲ陽線になったため4216は新たにサポートとなる。このサポートが生き続けるか、ブレイクされるかは中東の紛争激化の影響をも規定するものである。相場にとってのヘッドラインの影響はテクニカルより格下であるためである。4216を上回っている限り、指数の下落は押し目で終わりそうである。一方、金曜のラリーさえも先週の記事で取り上げたレジスタンスの4350には阻まれた。従って上値は引続き4350が分水嶺になる。ここをクリアできれば4350 -4500のレンジに移行できると思われる一方、クリアできないと4216 -4350レンジが続くだろうが、基本的に4216より下は想定していない。4200近辺の200SMAと週足の50SMAはチャレンジさえもされなかった。一方、4500より上は引続き年末まで厳しいと思われる。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。