SPX Technical 
 S&P 500は週前半に続騰した後にサンクスギビングを前に動かなくなった。木曜が休日なので金曜も休日のようなものであり、前日も休前日なので、週と見なせるかどうか怪しい。前回の記事では「4550まではまだ少し距離がある」としていたが月曜には突き抜けてしまっており、残りの日は消化試合が続いた。
NVDA
 NVDAの決算は歴史的に滑りようがないが、3ヶ月前に続いて事前の期待が高すぎて500ドル超えから利食いに押された。一般的に決算通過は多少悪くてもイベント通過でプレミアムが剥落するものであるが、この銘柄の場合オプション市場の織込み幅を上に飛び越えないとプレミアム剥落はコール側の価格下落となる。結局決算を通過しても400 -500ドルのレンジから抜け出さなかった。週明けはOpenAIの内紛が流れたが、MSFTが独り勝ちしたらしい割りには株価は動かなかった。高値圏ではジェフ・ベゾスによるAMZNの売却、更にマーク・ザッカーバーグによるMETAの売却など創業者による自社株利食いのヘッドラインが目立ち、前者はナスダック全体の調整に繋がった。
FT most shorted stocks
 FTによると最もショートが深いバスケットは米国だけでなく欧州でもラリーしている。先々週の木金だけでHFコミュニティは43bnの損失を出したそうである
GS  CTA
 GS CTAはついに買い終わったようである。12月に入ってからはどのシナリオでも売りに回ることになる。ショートカバーが概ね終わったということか。
GS Prime Book
 プライムブックのネットエクスポージャーもショートカバーが進んだ。
JPM Retail cash equity order
 個人投資家のオーダーは再びロング方向に盛り上がった。

GS SP500 seasonality
 結局はシーズナリティ通りになっている。月末は年金による債券へのリバランス、月初はISM製造業が控えている。
NAAIM
 NAAIMは引続き改善が続く。もはや悲観サイドではないが、総楽観というわけではない。シーズナリティは上昇示唆、ポジショニングは利食いを示唆している。
GS implied vol
 実際動かなくなったからでもあるがVIXの崩壊が目立った。これはOp Exを通過しても止まず今年最低水準を試している。これだけ見ているとやはり10月の下落の二匹目のドジョウは難しい。普通は小動きが続いた後はvolコントロールが炙り出されるものだが、彼らのポジショニングは久しく流れて来ていない。

 テクニカル。4550までブレイクされているが、4500台ではディーラーガンマがロングになっていることもあり、上値も下値も堅くなってきた。日足ヘッドアンドショルダーは右肩をブレイクされたため今年高値の更新も排除できなくなるが、もっとも既に7月高値まで1%程度しか残っておらず、一方下値余地はショートカバーが終わり次第再びオープンになるため、ヘッドアンドショルダー右肩ブレイクだけを理由に高値追いするのも勇気がいる。もっともマクロイベントが調整を作ったとしても押し目で終わりそうである。先週の記事では「4500から離れやすくなる」としていたが、離れた後も特に加速が付いていないので、とにかく上を買って下を叩かないことが大事になるか。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。