
S&P 500はまたまた続騰の一週間になった。FOMCが予想外の利下げ織込み追認転換を放り込んできたため、指数は大幅に続伸した。4600台は通過になった。先週の記事では「上値はテクニカルにはオープンであるものの、金利低下によるブーストにも限界がある以上、機械と自社株買いが買い終わったら白けそうにも見える」としていたが、金利低下によるブーストには限界がなかったのである。「1日のパウエル講演の後、FOMCも今更ではあるが、一方でそれまで相場が堅調でヘッジが入った様子もない場合、FOMCで改めてダビッシュ・サプライズか何かで跳ねるというのも想定しづらい」としていたのは全くの間違いであった。その後、ウィリアムズ等が牽制発言を行ったものの、金利低下と株高(ゴルディロックス)のトレンドを反転させるには至らなかった。

FOMCは指数自体のショートカバーと同時にHFコミュニティのショートカバーに繋がった。


VIXは崩壊しているが、リアライズドVolも低下してきたためVIXだけが先走っているわけではない。その背景は「サンクスギビング明けの閑散さ」から「セクター間のショートカバー」に移っており、全方位に上がりそうな中で見ているセクターによっては「意外と弱い動きをしている」ことも度々あっただろう。


ここに来て年間でアンダーパフォームしてきた中小型にコール買いが入っている。ラッセル2000は昨年半ばからずっと長いレンジにあり、今はその上限をチャレンジしているところである。一旦はブレイクしてから休みに入っているが、IWMの200超えを確認できれば明瞭なレンジブレイクと認めることができるか。

10月の調整と共に鎮静化していた個人のオプション取引は再び復活している。

GS CTAが既に買い終わっているのが常識になりつつある。

後に続いたのはHFのショートカバーと、もし買い余力が残っていたとすればVolコントロール系ということになる。

久々にフォワードEPS。2024年分は一旦改善したのが再び低下しており、それを2023年から2024年へのロールアップで補っている。この構図は変わっておらず、従って直近の上げはほとんど金利低下によるものである。

2023年はシーズナリティ通りだったのが有名であるが、最後までシーズナリティが味方している。マクロ指標は一通り通過しており、代わりにこのあたりから自社株買いブラックアウトに入ると思われる。15日はOp Exは「これまで指数上昇・ポジティブガンマ減少」という組合せだったが、特に目立った動きはなかった。

NAAIMは値動きの割りには楽観化が進んでおらず、引続きこれだけ見ているとまだ押し目は買える。
この上げに付いていくことを正当化してきたのはNAAIM、そしてテクニカルだけであった。強引な上げでチャートがやや汚くなっているが、トレンド反転を示唆するほどではない。ブラックアウト入り、CTAのフラット化などを受けて一旦調整に入る可能性もあるが、そこも押し目になるのではないか。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。