SPX Technical
 年末が近づいてきてS&P 500もすっかり消化試合になってきた。基本的には何もなかったのだが、水曜には何もない中、0DTEの仕掛けで指数が4700割れまで1.5%も売り込まれたこれまで0DTEは下がったところで逆張り買いで入ることが多かったように思えるが、それが逆回転し得るメカニズムは以前考察した通りである。4755あたりから仕掛けが始まり、最後に4700プットがインザマネーになったところで引けている。材料がない中での急落だったため、水曜引けと共にその流れは終わり、翌日は高寄りから始まっている。金曜には二匹目のドジョウを狙う動きも見られたようだがそちらは失敗に終わった。2日ともNY 14時近辺に仕掛けが始まっている。前回の記事では「強引な上げでチャートがやや汚くなっているが、トレンド反転を示唆するほどではない。ブラックアウト入り、CTAのフラット化などを受けて一旦調整に入る可能性もあるが、そこも押し目になるのではないか」としていたが、「一旦調整の材料」はさすがに想像が付かなかった。PCEはFedのインフレ目標の達成が現実化しつつあることを示唆したが、さすがにクリスマス前もあって大した反応がなかった
DB Systematic Positioning
 DBのシステマティック・ポジショニングは10月に投げたものを買い戻している。GS CTAは買い終わったのが広く知られているが、こちらはまだ一歩遅い。
GS SPX 2023 Performance Breakdown
 2023年のまとめとしては、ほぼバリュエーション要因だけで好調だったということである。2022年に縮んだバリュエーションが、引締め終盤が見えてきたことで戻ってきた形となる。
NAAIM 
 NAAIMは一気に楽観化しており、降り時が近いことを示唆する。テクニカル的には、じり上げの最中に大陰線が降ってきては無視した7月に近いチャートとなっているが、7月の大陰線は日銀のYCC修正リークを受けたものであり、0DTEの仕掛けで売られた今回とは背景が異なる。もっとも慎重に見るとじり上げのリズムは狂わされたようにも見えるため、4780が小さなレジスタンスになる。週足は下ヒゲ陽線となっているため、下値は4698が週足サポートとなる。これを再び下に割った場合は先週の仕掛けが一回きりのイベントだったというパターンから外れて7月のパターンに似て来る。とはいえ年末は年末なので大きな値動きは想定しておらず、上を追って下を叩いても良いことがある気もしない。

これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。


この記事は投資行動を推奨するものではありません。