SPX Technical
 S&P 500は月初1週目の弱さを簡単に否定した。月曜からショートカバーが入り4700台後半まで回復し、その後は4700台後半で消化試合となった。4800手前が重いのは前回の記事で計算した通りではあるものの、そもそも方向性が慎重だったこと自体が間違いだった。とにかく何も考えずに「初押しは買い」に徹するべきであった。CPIは強めな結果となり、事前のヘッジもなかったため一度は調整のきっかけになったものの、イントラデーで戻している前回の記事では「CPI・PPIはスコープから外れて久しいため、直前にヘッジ・直後にヘッジ外しラリーのパターンにはなりづらい気もするが、果たして」としていた。PPIは下振れで利下げ織込みが更に進行したが、4800台載せでゴルディロックスにはなり切れず4700台に押し戻されている。金融決算は期待対比で弱いスタートとなったが、下落して始まったところは押し目になっている。今週は小売売上高が控えている。強いとせいぜいCPIと似たようなリアクションが想定され、普通に弱ければノーイベントと思われ、かなり弱いケースだけ警戒することになる。
GS CTA
GS CTA Risk Parity Vol Control
 久々のGS CTAは相変わらずベアシナリオの方がインパクトが大きいものの、先々週の下げで売りがトリガーされなかったなら、それより上では発動されないだろう。その前からこの構図だったため、がっつり下げた後に更に4600台で下値を試すと面倒なことになるとは考えていたものの、結局ショートカバーが先に指数を上に曲げたため、4600台が本当に脆かったかは今更観測できない。
GS Dealer Gamma
Nomura Dealer Gamma
 GSのディーラーガンマは11~12月の異様なまでのガンマロングから普通のポジションに戻ってきた。野村は下値が堅い一方、上値ではショートガンマになりつつあるとしている。
NAAIM
 NAAIMは大幅な反発にもかかわらず少ししか楽観化していない。決して総悲観は近くないものの、年末並みの総楽観に戻るまでまだ距離がある。
Insider Transactins Ratio
 インサイダーは先週の記事の水準を更に突き抜けて2023年中見られなかったレベル、というより桁違いの売り超となっている。これだけは気になる。

 テクニカル。金曜弱かったこともあり年末の高値4800をまだしっかりと超えたとは断定できないものの、とにかく全戻し以上はしたので週足は4690がサポートとなる。この見方では上下で新値が少しずつ広がるブロードニング・トライアングルになる場合に最も翻弄されそうだが、その場合も教科書的にはトレンド継続を示唆するため、週明けから下げに転じた場合も押し目だったことになる可能性の方が高い。前回の記事でも「何もなかったかのように4800台に再び載せたらまたその時に考えればよい」としていたのだが、金曜の高値4802を再び超えられれば4800台に載せたと認められる。最も面倒なのは19日のOp Exまで4800近辺に張り付く場合であり、その場合は教科書的にはOp Exを通過すると上下に大きく動きやすくなるだろうが、どちらに飛ぶかはテクニカルだけからは分からない。ナスダックはS&P 500よりも反発が弱く、年末一瞬スターになったIWMは更に弱い。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。