SPX Technical 
 S&P 500は週前半にグダグダが続いた後にナスダック主導で一気に上抜けて過去最高値を更新した。週明けは金利上昇による悪影響で調整が優勢となり、水曜の小売売上高を受けてS&P 500は4715まで下落した。もっともそこからは買い戻しが優勢となり水曜は長い下ヒゲを出した。木曜はTSMCの好決算を受けて半導体の狂い上げが始まり、それでも木曜の指数は4800に頭を押さえられたが、金曜も半導体主導の勢いが続き、指数全体が上方にブレイクした。先週の記事では「金曜弱かったこともあり年末の高値4800をまだしっかりと超えたとは断定できないものの、とにかく全戻し以上はしたので週足は4690がサポートとなる。この見方では上下で新値が少しずつ広がるブロードニング・トライアングルになる場合に最も翻弄されそうだが、その場合も教科書的にはトレンド継続を示唆するため、週明けから下げに転じた場合も押し目だったことになる可能性の方が高い」「金曜の高値4802を再び超えられれば4800台に載せたと認められる」としていたが、4802ブレイクまで待機を決めつつ4690の方が近くなったところで押し目買いを入れるのは難しい作業ではなかっただろう。
GS Op Ex
 19日のOp Exは久々に流れを変える日になった。年末から続いてきた4800直下の値動きが終わり、一気に4800を突き抜けた。以前の記事で4800に注目してきたが、やはり4800が分水嶺であった。「最も面倒なのは19日のOp Exまで4800近辺に張り付く場合であり、その場合は教科書的にはOp Exを通過すると上下に大きく動きやすくなるだろうが、どちらに飛ぶかはテクニカルだけからは分からない」としていた通り、Op Exも分水嶺となった。もっともOp Exまでの時間がまる一週間と長すぎたとはいえ、「大きく動きやすくなる」とだけ分かっても方向性が分からないと意味がない。
GS CTA and systematic 
 GS CTAは引続きゆっくりとした買い継続か、急速なフリップかの非対称な予想となっている。もっともモメンタムが上方を向いている限り後者がいきなり始まることはないだろう。システマティック全体で見ると2023年半ば以来のフルポジになっている。
DB vol control and realized vol
 DBのvolコントロールの2%ドローダウンに対する売り需要も膨れてきたが、なぜか過去対比ではまだ高くない。リアライズドVolは安定している。
Nasdaq HF positioning
 どちらも出所不明ではあるが、HFのナスダックロングもかなり厚くなっている。バイバックは決算期でブラックアウト中であり、上値追いの主体は個人と裁量投資家に委ねられる形となる。先週見てきたようにインサイダーは大幅に売り越しであった。
JPM Option Retail Market Share
JPM Retail Flows
 2023年後半に鳴りを潜めていた個人投資家のオプション取引がまた盛況になってきた。
Earnings Whispers
 決算期が佳境に入って来る。直近の値動きがイケてないTSLAあたりが要注意か。マクロ指標も多く、GDPで金利上昇に警戒しつつ、週末のPCEで物価目標達成を再確認することになると思われる。来週にはFOMCがあり、そこで3月FOMCの織込みにある程度の答えを出す必要がある。
GS Sentiment Indicator
NAAIM
 不思議なことにNAAIMは値動きに反してかなり大掛かりに悲観化している。GSのセンチメント・インジケーターも同様である。NAAIMだけ見ていると急に上値を追える気がしてくる。

 テクニカル。長らく上値を抑えていた4800がブレイクされたことで4690 -4800の水平レンジが終了し、Op Ex通過で4800上方での推移にシフトしたと解釈される。これで巷で言われている2022年からのダブルトップ説も否定される。週足は下ヒゲ陽線となり4715がサポートとなり、これが守られる限り下げは押し目で終わる可能性が高く、値頃感ショートは厳しい。史上最高値更新であり、かつ一文高値でもないため上値はオープンである。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。