S&P 500は高値圏でじり高となった。先週の記事では史上最高値更新を受けて「長らく上値を抑えていた4800がブレイクされたことで4690 -4800の水平レンジが終了し、Op Ex通過で4800上方での推移にシフトしたと解釈される。これで巷で言われている2022年からのダブルトップ説も否定される。週足は下ヒゲ陽線となり4715がサポートとなり、これが守られる限り下げは押し目で終わる可能性が高く、値頃感ショートは厳しい。史上最高値更新であり、かつ一文高値でもないため上値はオープンである」としていたが、果たして新高値に売りなしとなっている。途中からナスダックが脱落したため調整したようにも見えるものの、S&P 500ベースではじり高が続いた。
本ブログさえも名指しで警戒していたテスラはがっつり決算で滑った。もっとも他のセクターには全く波及せず、指数レベルで警戒する必要があるようなイベントになったわけではない。インテルも滑っており、半導体の中でさえAIバブルに恩恵が及ばずサイクルの回復を待っているセクターは脱落しつつあることを暗示した。代わりに原油高と共にエネルギーセクターがアウトパフォームして指数を支えた。
GS CTAは指数のモメンタムに反して1月後半に売りに回ったようである。今後は指数が再び急騰すれば再び後追いする可能性がある一方、売却余地は引続き大きい。リアライズドVolは低迷しているが、Volコントロールは既にほぼ満載であり付いて行かなかった。
DBのポジショニングは引続きそれなりの高さである。CTAがマッシブロングに近いのはGSの解析と同じである。
従って前回の記事でも述べたように上値追いの主体が個人と裁量投資家に委ねられる形となる。
JPMのETFショート建玉は昨年年末から減少の一途をたどっている。プットの使い心地がよいので構造的に減り続けるのは分かるが、にしても直近で一直線で減っている。もっともBofAによるとマグニフィセント7へのショートだけは増えている。GSによると指数プットの方も安くなっている。
ボトムアップEPSは直近も来年分も下方修正が進む。中ではマグニフィセント7だけは堅調であり、残りの493銘柄はもっと弱い。ソジェンによるとナスダック100を除くとS&P 500のフォワードEPSはロールアップもしていない。
ヒストリカルにはEPS予想が低く抑えられたところを決算期に取り戻すシーズナリティになっているが、果たして。
決算はGAFAMやAMDなどヘビーな銘柄が集中する。MSFTはさすがに懸念がないが、AIバブルのド真ん中の銘柄以外は薄っすらと滑りやすい雰囲気が流れている。期中に格下げを喰らいまくった後に自律反発したところにいるAAPLは、先発の半導体コールで何かしらのヒントが得られるかどうか。
マクロにもFOMCと雇用統計が続き大変ヘビーである。FOMCは3月に利下げを予告するほどではないと思われるが、一方PCEの物価目標達成に何らかのコメントをする必要がある中でプッシュバックする必要があるとも思えず、ということは中庸な会合になると思われるが、そうなるとポジショニング次第になるか。現状ではショートカバーは既に一巡しておりダウンサイドへの警戒もほとんどないため若干オッズが悪いようには思えるが、前もって警戒のヘッジが入るならそれは改善するだろう。
NAAIMは急速に切り返した。先週に大がかりな悲観化を受けて「NAAIMだけ見ていると急に上値を追える気がしてくる」としていたのは少なくとも週半ばまでは正しかった。ここからは急いで上値追いをするほどではない温度感に戻って来る。
大統領選の年のシーズナリティ。今のところ年初から堅調ということは政権交代にやや有利と占えるが、その場合は3月に調整が見込まれる。もはや3月にイベントが集中しすぎているが、それでも参加者は3月の前に降りれば問題ないと思っているのかもしれない。
テクニカル。日足では連日の上ヒゲ陰線が続いており上値の重さは感じるものの、今のところセクターローテーションで乗り切っている。とはいえ4900ブレイクは明らかにショートカバーを誘発しておらず4900台は重く、金曜高値の4907は日足レベルのレジスタンスとなる。サポートは引続き週足の4715であるが、そこが遠く感じるようならレバレッジを削減した方が安心だろう。4907を上にブレイクしたら追いかけてもバチが当たらなそうではあるものの、それでも引け後にヘビーな決算が控えている場合は都度都度NY引けに処分した方が安全である。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。