先週のS&P 500は主にマクロに振り回された。月曜は薄い中半導体主導で一度上値を伸ばしたがCPI警戒に押されて失速した。火曜寄付き前に発表された強いCPIを受けて大きくアンチ・ゴルディロックスとなった。もっともその後は半導体を中心に反発し、木曜には再び過去最高値に近付いた。木曜寄付き前に発表された小売売上高は弱く、強いCPIと組み合わせるとバッドニュースになるはずだったが、株式は金利低下だけを好感した。更に金曜のPPIも強く再びアンチゴルディロックスとなった。
金曜16日はOp Exでもあった。4950と5000のコールが最も建玉が多かったが、まさかコール売りがここで流行ったとも思えないためリテール買いのディーラー売りだったと思われ、そうするとそれがエクスパイアすることでディーラーは上方向に備えずに済むようになる。
DB positioningではまだ主にシステマティック勢の買いが続いている。
CPIを受けた指数下落は2%に迫ったものの2%には届かず、従ってVolコントロールの投げを誘発するほどではなかった。今後も1日2%が目安となる。VIXはじわじわと上がり始めている。
NVDAに続く半導体関連株の大幅な変動をきっかけに、個人のコール買いが復活しつつある。これが指数の上昇が筋の悪いものになりつつあることを意味するが、まだ2021年ほどではない。
半導体関連ではNVDAの次にARMも夢を持たせる上昇となった。更にコール買い主導でSMCIが鉄火場になった。コール主導の極端な値動きといえば2021年1月のゲームストップ株とその後の指数の調整を思い出すが、今回まさかHFが踏まされるわけではないだろう。
決算期はNVDAだけ残してほぼ終わったが、前期よりは素直に良い決算が報われ、悪い決算は売り込まれた。水曜NY引け後に一人遅いNVDA決算を控えている。NVDA自体は歴史的にも滑ったことがないが、どうせ期待マックスで迎えると思われ、そうなるとオプションが事前に織り込んだ上昇幅を超えたサプライズの場合は更に踏み上げになりやすい一方、届かなかった場合は良くてもコール主導の利食いに押されやすいと思われ、指数もそれを気にしながら動くことになるか。逆に決算前に指数がリスクオフに傾くならNVDA決算が切り返すきっかけになりやすいと思われる。
NAAIMは引続き楽観域にある。個別株のスキューも同様である。
シーズナリティは弱い2月後半に完全に入った。先週の記事では「先週はノーブレイナー押し目買いでよかったが、3月に向けて少しずつ慎重さを積み増す展開となるか」としていたがその見方は変わらない。ベア転する理由はないにしても一度は振り落としをかけた方が健全に見えるが、自分が振り落とされる方になったらアホらしい。
テクニカル。先週の記事で「テクニカルは2本目の週足下ヒゲ陽線となった。4918が次のサポートとなり、4918を下回るまでじり高が続く可能性が高いと判定される。引続き上昇局面にある金利市場に足を引っ張られる可能性が残るものの、そこは先週と同様、4918さえもブレイクできないならショートの得るものは少ない。もし4918がブレイクされたら、そこからの初ラリーが3月に向けての売り場となるだろう」としていたが、上の「少しずつ慎重さを積み増す」と合わせるとパーフェクトであった。CPIが招いた調整は4918サポートに綺麗に跳ね返され、先週安値は4920となった。一度は再確認されているため、4918は引続き分水嶺になる。それだけに今後4918をブレイクされた場合は一気に下値余地が広がりそうである。上値も2度確認された5048がレジスタンスとなる。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。