先週のS&P 500はNVDA決算に振り回された。NVDA決算周りについて前回の記事では「NVDA自体は歴史的にも滑ったことがないが、どうせ期待マックスで迎えると思われ、そうなるとオプションが事前に織り込んだ上昇幅を超えたサプライズの場合は更に踏み上げになりやすい一方、届かなかった場合は良くてもコール主導の利食いに押されやすいと思われ、指数もそれを気にしながら動くことになるか。逆に決算前に指数がリスクオフに傾くならNVDA決算が切り返すきっかけになりやすいと思われる」としていた。地球上で最も重要な銘柄とまで言われるなど、事前にNVDA決算懸念が盛り上がるのは少し意外であった。一旦先にリスクオフに傾いた以上、NVDA決算が指数の切り返すきっかけになりやすい方のシナリオに入ったことになる。事前に調整が済んだためオプション市場が織り込む値幅(10.6%と事前に報道されていた)をクリアしやすくなる。寄付きから+11%を付けたため、久々に決算後に1日中踏み上げが続くことになった。1日で膨らんだ時価総額としては2/2のMETAを遥かに超えて史上1位となった。指数も当然NVDAに注目しているため、木曜の方向性もNVDAのプラス幅に規定されており、バブルを警戒しなくてよい雰囲気になった。日経新聞も手放しでNVDAを褒めた。
もっともテクニカルなショートカバーは木曜のうちに完了したと思われ、金曜はNVDAが800ドルを、S&P 500が5100をそれぞれ突破したところでは利食いが優勢になった。木曜の指数の上げ幅が2%を超えたのは必ずしもグッドニュースではない。かつての記事でも取り上げたように、上方向への極端な値動きもシステマティック勢をマージナルにではあるが振り落とす。
DBのポジショニングは引続きじわじわと伸びている。小口トレーダーのオプション買いは再び盛り上がっている。機関投資家でもオーダーを多数の小口に分割することがあるため、小口=個人投資家というわけではないが、とにかくオプショントレードが盛り上がっている。
一連のマクロ指標で利下げ織込みが剥落したにもかからず、ナスダックは堅調さを維持している。AIバブルのなせる業である。
GAFAM決算通過と共にフォワードEPSは再び上を向き始めた。
NAAIMは木曜集計のはずなのになぜかやや落ちている。NVDA決算後も冷えているならまた買い方にとって都合よくなるが、ちょっと来週分も見ないといけないだろう。GSのセンチメント・インジケーターは久々な高水準までストレッチしてきた。インサイダーについてはJPMダイモンCEOの初の自社株売りが話題になった。昔からあまりテクノロジーに理解がないというのもあるが、ウォーレン・バフェットも直近の株式高騰を「カジノ的」と表現した。シーズナリティは3月初旬まで悪い。
テクニカル。4918をどこかでブレイクされた場合の用意ばかりしていたが、結局NVDAの決算の有無によらずシンプルに4918サポートはもう一度仕事したと解釈することもできる。週足は再び下ヒゲ陽線となり、週足サポートは先週安値の4946まで上がって来る。もっとも金曜が上値を伸ばすのに失敗したのを確認しており、日足は上ヒゲ陰線となっているため、高値の5111もレジスタンスになる。従って4946 -5111レンジを一旦意識することになるだろう。相変わらず振り落としがあった方が健全に見えるため、多少の調整で振り落とされるようなレバレッジはここでかけるべきではない。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。