S&P 500は再び週足下ヒゲ陽線になった。前回の記事では4946 -5111レンジを意識していたが、週前半は5111を更新しないままダラダラと調整したものの、PCEやISMといったマクロ指標を通過したことで週末は再びラリーした。木曜引け後には最近忘れられがちなNYCBの追加減損が発表されたが材料視されなかった。同じタイミングでDellが好決算を発表し、そこでNVDAの次期AI GPUにも触れたため改めて半導体セクターの上値追いのきっかけになった。
連発される週足下ヒゲ陽線からも想像できるように、S&P 500は直近17週中で15週連続で上昇で終わっており、これは1971年以来となる。
また2%のドローダウンがない日が86営業日連続になっている。
DB positioningはそれなりの重さから少しだけ落とされている。
バークレイズが推計したマクロHFとVolコントロールの株式エクスポージャー。年初からリアライズドVolは上がり気味であり、Volコントロール型が少しポジションを落としているのは前回の記事で述べた「上方向への極端な値動きもシステマティック勢をマージナルにではあるが振り落とす」に当たるかどうか。いずれにしろ、直近の指数上昇の主役は機械ではないだろう。
NAAIMは先週分と合わせても値動きの割りに冷めている。GSのセンチメント・インジケーターも楽観域ではあるもののすぐ冷めている。これだけ見るとまだ総員ノーブレイナーで高値を追いかけているわけではない。マクロ指標は一応まだ警戒されているし、現にことさら株式指数を持ち上げるような指標は出ていないものの、どれもゲームチェンジャーになることがなかった。CPIのように滑れば押し目になり、大滑りしないまま通過するとVIX低下に伴うヘッジ外しのラリーになった。今週はパウエル議長の議会証言、スーパーチューズデーがそれぞれ控えている。
テクニカル。週前半に押しては前週安値を割らないまま後半に戻して高値を更新するパターンが続いている。結局週足の下ヒゲ陽線が最もワークし続けているわけだ。最新の下ヒゲ陽線サポートは5057となる。5057を下回らない限り、逆張りのショートで取れる値幅はたかが知れているし、天井を当てるのは難しい。5057を下回った場合も25SMAの5020まではサポートが強いと思われ、そこから跳ねたところがリスクの落とし場になる。トレンドが変わるきっかけになり得るのは1日2%を超える指数の値動きか、他の市場の極端な値動きだろう。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。