
S&P 500は堅調な週になった。週初めは景気減速を示唆する指標が続いて株は低調、金利だけが低下したのだが、ISM非製造業が堅調だったことで安心して上値追いになった。もっとナスダックを中心に翌日には冷めてきており上値では小動きになった。雇用統計では平均時給の伸びが堅調になったことで金利が再び上昇したがこちらにも株はあまり反応しなかった。


前回の記事で「月が変わって金利上昇と共にアンチ・ゴルディロックスが激化した場合」を懸念していたのだが、株式と金利の連動に関して市場は全くこの見方をしていない。むしろここで金利が下抜けるほど減速しているならFedは直ちにビハインドザカーブになるわけで、従って金利が下落してもゴルディロックスにならず、景況感が堅調方向に戻ることはビハインドザカーブ懸念を剥落させる、という組合せになりつつある。金利が悪さするのは特定の水準ぶつかるか、金利のボラティリティが上昇する場合であり、レンジ内の水準変動では必ずしもアンチ・ゴルディロックスにならないということだろうが、その特定の水準は眺めていると4.6%, 4.5%と切り下がってきている気がしなくもない。

久々に流れてきたGS CTAは、急落があれば追いかけて売るものの、なければじわじわと買い続けるという見慣れたパターンに入っている。

BofAのガンマプロファイルは5100台後半のロングがすっかり痩せ細っており、5300台のウォールだけが残っている。こちらも同じように下落すれば需給が悪化するし、しなければ特に悪さしないという待ちのスタンスになっている。


NAAIMは意外にも悲観化している。もっともGSのセンチメントインジケーターの方は楽観が続いており、上昇する日の方がインプライドVolが高いのでFOMOの雰囲気になっているとの観測もある。NAAIMの曲げ力が最も強いと思えばそれでも大して下がらないだろうということになる。週央にCPIとFOMCが同日にあり、FOMCは7月利下げのヒントを出さずドットプロットを年内3回利下げから2回利下げに後退と想定されている。それもまた既に警戒されているので、素直に考えれば再び記者会見でアドリブで怒ったりしない限りはイベント通過感が強まるはずだが、CPIが強めに出ると捕まった悪いまま迎え、弱めに出るとアップサイドがなくなるので、取り組みづらいイベントではある。テクニカルと値頃感に頼った方が早いか。

テクニカル。先週は4月とのチャートの類似点を取り上げつつも、4月との違いも挙げながら必ずしも4月の再来にはならない、その分水嶺は5192にあると示してきた。これまでの週と違ってきちんとした押し目を作ってから日足レジスタンスの5340をブレイクしているが、ガンマプロファイルが示唆する5350近辺の重さがまだ勝っている。下値は5234までで週足は下ヒゲ陽線になったため、5234は新しい週足サポートになる。サポートが週足レベル、レジスタンスは日足レベルという組合せはここもと多くなっており、日足レジスタンスはS&P 500には見られずナスダックの17235がそれと認められる。従って基本的には再び週足の範囲内での押し目買いというスタンスになる。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。