SPX technical
 S&P 500は再び高値波乱になった。先週の記事では「USIGのスプレッド拡大を考慮すると、むしろ近すぎる5400サポートを手掛かりに上値追いするのは気が引ける。もし5400を下回るようなら5400台がごっそり取り残される可能性も見えて来る。その場合、下値の支えは指数が下がれば下がるほど薄くなるだろう。逆に5400さえもブレイクできないとなると、安易にショートに入ると巨大テックに踏まされるリスクも残る」としていたが、結局5400を下回ることなく一度5500台に載せたが、そこからは半導体を中心に大型テックがきっかけもなく売り込まれた。アジア時間からNVDAが買い上げられたため本場の参加者から見ると売りやすかったのだろうか。木曜、金曜と二日にわたって大型テックが売られ、代わりにそれまでアンダーパフォームしていたラッセルなどが堅調になった。
DB SP500 call volume
 DBによるとテックのコール取引高は急増した。前回同じことが起きたのは2021年末であるが、その時と異なりS&P 500全体で盛り上がったわけではない。
GS dealer gamma
GS Opex
 GSのディーラーガンマは更に厚いポジティブになっていたが、Op Exでは一部が消失したと思われ、少し動きやすくなると思われる。シーズナリティは弱く、月末にかけてはブラックアウト入りが始まり、月末リバランスも控えているため、引続き上値を追いかける週ではないだろうと考えている。半導体の弱さが続いた場合は水曜引け後のマイクロン決算が転換点になり得るか。
Insider Transactions Ratio
 インサイダーは少し売り始めているように見えるが、まだ大きな動きにはなっていない。
NAAIM
 NAAIMとGSセンチメントインジケーターは引続き高めの水準で推移している。

 テクニカル。S&P 500で見るとまだまだ堅調であり、木~金の調整は微々たるものであった。従って指数としては先週の記事で危惧していた「5400より上が取り残されるパターン」にはなっていない。一方ナスダックやSOXで見ると週足上ヒゲ陰線になるほどの大きめの調整であった。そういう意味で「巨大テックに踏まされるリスクも残る」としていたのは真逆となった。ナスダックの17935がレジスタンスとなる。S&P 500はキリがいい5500が上値目途にはなるが、テクニカルなレジスタンスには特になっていない。5400を下回ると「下値の支えは指数が下がれば下がるほど薄くなるだろう」としていたのは維持しているが、先週大掛かりにそこにベットしなくてよかったし、今週もそのパターンになると最初から決め付けられるわけではない。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。