
S&P 500は調整を警戒していた前回の記事に反して棒上げになった。前の週に浮上し始めた様々な不確実性要素が気付いたら再び後退した形となる。

トランプ・トレードとも思われた金利上昇は緊張感をもたらしたが、週が明けるとフェードしている。金利の再低下を受けてS&P 500の高値更新は再開され、先月波乱を呼んだ雇用統計はヘビーなイベントになるはずだったにもかかわらずスルーされた。



6月末のリバーサルから元気がなかったマグニフィセント7だが、選挙も含むだいたいのイベントを通過したのを確認して木曜から再び猛然とアウトパフォームし始めた。これは少し休憩していた少数の銘柄への一極集中が再開したことを意味するが、一極集中そのものが問題を孕んでいるわけではない。指数もその方が逆よりも上がりやすくなった。

むしろその過程で銘柄同士の相関が低下しまくっているのは指数ベースのボラティリティの低迷に繋がり得る。前回似たような水準まで低下したのは2017年後半、2019年後半、2021年後半であり、いずれも半年~1年レベルの中期的にはクラッシュに見舞われている。

久々に流れてきたGS CTAはどのケースでも売りに転じやすいとされている。もっとも今年のこれまでの経験上、CTAポジションがパンパンだからと言って逆張りしてもワークしない時間帯が続くことが多かった。あくまでも一旦急落に転じ始めたらCTAがフリップしやすいということである。

金曜寄付き前に米銀決算が始まる。

NAAIMは総楽観になっており、これだけ見ると依然調整が近そうな気がしてくる。一方、GSセンチメントインジケーターは一進一退が続く。

インサイダーも一進一退が続いており、大規模なネット売却には転じていない。

テクニカル。週足上ヒゲ陽線のヒゲがブレイクされたことで週足ベースで上昇トレンドに復帰する。5440が新たに週足サポートとなる。従って再び押し目買い目線に転換することになるものの、NAAIMを見るとやはり時間をかけて上値を追いたくはない雰囲気が漂う。とはいえ機械を召喚できる1日2%の下げがあったり、5440をカチ割ってトレンドが再転換したならともかく、ただの景気減速や政治系のヘッドライン程度で逆張りにエントリーするのはオッズが悪いだろう。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。