2017/11/13に発表された中国不動産投資と販売が共に弱かった。これは金利上昇と住宅ローン規制強化の結果である。以前の記事であほらしいとしていた北京周辺の学区をめぐる不動産市場はすっかり冷え込んでおり、ピークから2割下落した物件も出てきたようだ。

中国の不動産市場で代表的な指標である70都市新築価格。前年比が月を追うたびに下がってくる=前の月より値下がりしていることを示す。

中国不動産投資(前年比)

中国不動産販売(前年比)
中国国債金利は高騰でかつ再び10年近辺でインバートしており、金融引き締めが行きすぎであることを示唆している。が、共産党大会が終わり、またGDP成長が元々の目標である6.5%までバッファがあることから、引き締めが緩められる希望はあまり持てない。金利高だけでなく、各都市で住宅ローンの供給を窓口規制で取り締まっている。
供給制限はプレミア感を醸成するだけなので長期的には不動産のブル要因だと思うし、住民のレバレッジが高くならないようにマイクロコントロールしている間はバブル崩壊はないと思っているが、李克強指数≒米国製造業ISMは中国の不動産投資とかなり連動しているため、不動産投資の不調はISMを冷え込ませる要因となることを心の片隅に留めておきたい。地方の実業が死んでいるから都心不動産に資金が向かっている日本と逆に、実業が盛り上がって不動産から資金が抜けているようにも見える。
PBOC引締め(5) 重厚長大産業の減速
PBOC引締め(4) 中国不動産バブルの沈静化
PBOC引締め(3)インターバンク狙い撃ち
PBOC引締め(2) チャイナショックを振り返る
PBOC引締め(1)人民元相場の安定化

中国の不動産市場で代表的な指標である70都市新築価格。前年比が月を追うたびに下がってくる=前の月より値下がりしていることを示す。

中国不動産投資(前年比)

中国不動産販売(前年比)
中国国債金利は高騰でかつ再び10年近辺でインバートしており、金融引き締めが行きすぎであることを示唆している。が、共産党大会が終わり、またGDP成長が元々の目標である6.5%までバッファがあることから、引き締めが緩められる希望はあまり持てない。金利高だけでなく、各都市で住宅ローンの供給を窓口規制で取り締まっている。
供給制限はプレミア感を醸成するだけなので長期的には不動産のブル要因だと思うし、住民のレバレッジが高くならないようにマイクロコントロールしている間はバブル崩壊はないと思っているが、李克強指数≒米国製造業ISMは中国の不動産投資とかなり連動しているため、不動産投資の不調はISMを冷え込ませる要因となることを心の片隅に留めておきたい。地方の実業が死んでいるから都心不動産に資金が向かっている日本と逆に、実業が盛り上がって不動産から資金が抜けているようにも見える。
関連記事
中国の景況感がやや足踏みPBOC引締め(5) 重厚長大産業の減速
PBOC引締め(4) 中国不動産バブルの沈静化
PBOC引締め(3)インターバンク狙い撃ち
PBOC引締め(2) チャイナショックを振り返る
PBOC引締め(1)人民元相場の安定化
この記事は投資行動を推奨するものではありません。