2017年中続いた中国当局の金融、不動産双方の引締めの結果、ついに重厚長大産業の活況さを表す李克強指数が低下に転じた。
李克強指数は非公式指数なので算出方法や数値は機関によって玉虫色であるが、ここではBloombergを例にとる。2016年後半から2017年秋にかけて李克強指数は過熱とも言える2桁台の伸びを保っており、当局に引締めのためのバッファを与えていたが、2017年10月には10を割り込んで8%を付けている。
内訳を中国統計局のデータで見ると、鉄道輸送量は前年比2桁台増だったのが10月には+4.8%まで減速。発電量は5~8%台だったのが10月に2.5%まで落ち込んでいる。2016年後半に急速に上昇したので発射台が高くなったという見方もできるが、引締めの結果である不動産投資の減速とも整合的である。 サービス業転換が進む中国で、李克強指数は重厚長大産業のみにスポットを当てているためGDPの代替にはならないが、先進国企業にとってより重要なのも重厚長大産業の方である。ここからは製造業景況感をも監視。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。