ZAR
 11月末のS&Pによる南アのジャンク級への格下げの後、ZARは上昇が続いている(下がZAR高)。ムーディーズの同時格下げによるインデックス落ちを回避できた後、与党ANC(アフリカ民族会議)の党首選が次のテーマとなっている。
 
 党首選は事実上の次期大統領選であり、ANCの党首になれば2019年大統領選の有力候補になる。確かに南アのズマ大統領はインド系財閥と癒着したり、閣僚を好き放題に解任しているが、与党のANCは伊達に105年の歴史を持った党ではなく、他のありがちな新興国と違って概ね民主主義が機能しているようだ。一時、ズマ大統領が元妻のドラミニ・ズマを党首に据えようと画策しており、海外投資家を絶望させたが、大統領の思い通りにはならず、ドラミニ・ズマと、ネルソン・マンデラの右腕であり、実業家としても成功を収めた上に労組の支持をも集めたという完璧なスペックの副大統領のラマポーザとのガチンコ勝負となった。

 党首選は12/16 -20の間である。ラマポーザが当選すれば長期的にはズマ大統領のネガティブインパクトを払拭できると思われ、ランド高要因となる。逆なら2018年のインデックス落ちを回避するのは難しい。2018年2月までには格下げ、少なくとも格下げリスクがくすぶる、と思って南アのアクティブショートを張っている投資家こそ慢心した側であり、ラマポーザの優勢を受けて焦り出す、というのがS&P格下げ後の展開であった。高金利もショートをあぶり出しやすくしている。とはいえど結果そのものは前もってわからないため、20日までZARは荒れやすそうだ。

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