南アフリカ与党のANC(アフリカ民族会議)の党首選は激しい接戦の末、副大統領のラマポーザ氏がズマ大統領の元妻を破って当選した。これでズマ路線が長続きしないことが決定し、ZARは続伸して対ドルで半年ぶりの高値をつけた。年初来で見ても高値圏に来ている。ANCがインドとの癒着などで批判に晒される大統領を庇ってくれなくなったため、FTなどは数週間の間のズマ大統領の解任をすら示唆している。
ZAR

南ア・ランド、半年ぶり高値 ズマ路線の転換期待で

外国為替市場で南アフリカの通貨ランドが急上昇している。円とドルの両通貨に対し、およそ半年ぶりのランド高水準だ。「反ズマ大統領路線」を掲げる候補が与党党首選を制し、市場では南アの経済・財政での改革期待

 11月末時点ではまだほとんどの機関投資家は南アの売り方を議論していたはずだ。11/24にはS&Pが南アをジャンク級に格下げしているが、週明けからの(ムーディーズとのダブル格下げとならず)インデックス残留を受けた棒上げからそのままANC党首選に突入という急展開であった。本ブログはラマポーザ氏の当選前からZARショートが炙り出されやすくなっていると記してきたが、今回はインデックス落ちとならなかったがどうせ2018年春には落ちる、その時にはインデックスファンドが目を瞑って巨額の南ア債券を売るだろうと、慢心のショートを引っ張ってきた投資家はとどめを刺された。今月末までの間に完全なごめんなさいが必要だろう。一方、安値で勇気を出して拾った個人投資家は利食いに動けた。

 南アの今後の課題は山ほどあるため高値を追いかける必要はなさそうだが、万が一Moody'sがここで空気を読まずにジャンクまで格下げしてインデックスから落ちてしまった場合、世界中のインデックスファンドが売ったところは南ア資産の一世一代の買い場となるだろう。

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