フランス、ドイツとノーイベントが続いた後、4日に迫ったイタリア総選挙は欧州選挙ラッシュの大トリとなる。2017年の流れで言うとポピュリズムはルペンを頂点に出落ちが続き、中道左派が辛く中道右派が最も伸びている。イタリアもまた、レンツィ・ジェンティローニと続いた中道左派の現政権が危うくなっている。

前回の2013年選挙では反EU極左の五つ星運動が躍進して第二党になり、今も支持率で与党の民主党を押さえて政党としてはトップ(28%)に立っているが、2017年11月にベルルスコーニが中道右派と右派をまとめ上げ、五つ星運動を押さえ込める政治勢力(フォルツァFI +北部同盟LN + イタリア同胞FdI)を作ることに成功したことをシチリアの知事選で誇示した。それ以降、五つ星運動の政権奪取阻止という点で中道左派の面々に比べてのベルルスコーニの「嫌な奴が味方になった時の安心感」がイタリア国債相場にポジティブに働いて来た。また同時にイタリアは第一党に議席ボーナスを与えて過半数を取らせる制度を廃止し、ポピュリスト政党が一気に単独政権を取る可能性を減らすため「原則として連立」という枠組みを作ったのも大きく、五つ星運動は一気に政権から遠ざかってしまった。
ではベルルスコーニ率いる中道右派連合が順当に勝つと安心できるかというと、次は連合の中でどの党が首相を出すかが問題になる。ベルルスコーニ本人は汚職で公職追放中なので首相になるのは論外である。フォルツァ・イタリアFIなら昔のイタリアに戻るだけだ。長期的には改革の後退と放漫財政でまたファンディングが厳しくなるかもしれないが、今の時点では我々の知ったことではない。問題は極右の北部同盟LNである。こちらは五つ星の影に隠れているが立派な欧州懐疑主義政党であり、フォルツァ・イタリアと比べて支持率はやや劣っているが僅差である。この二つの議席数がひっくり返った場合は北部同盟が中道右派連合を通してイタリアを制する可能性がある。どこぞのスペースオペラでおなじみの「51のうち26を占めれば100を支配できる」という例となる。
ポールを素直に信じると最も可能性が高いのは三すくみである。この場合、大連立を組むか、再選挙にもつれ込むか。素直に前者はリスクオン、後者は一時的にリスクオフ要因となるだろう。中道右派が過半数を取った場合は北部同盟の議席数に注目。与党・中道左派が過半数を取ればややポジティブサプライズになる。そして最もデザスターな結果は三すくみから反EUを軸に五つ星運動と北部同盟が連立するケースであるが、さすがにテールシナリオだろう。移民が銃撃されたりとヘッドラインはやや流動的である。イタリアはEUで3番目に大きな経済大国とはいえ、ギリシャ危機の時と違ってこれはイタリア国内の問題でしかないし、フランス大統領選の時とも違って反EUは争点になっていないので、リスクオフのきっかけになった場合も揺さぶられるべきではないだろう。
帰ってきたベルルスコーニ
ではベルルスコーニ率いる中道右派連合が順当に勝つと安心できるかというと、次は連合の中でどの党が首相を出すかが問題になる。ベルルスコーニ本人は汚職で公職追放中なので首相になるのは論外である。フォルツァ・イタリアFIなら昔のイタリアに戻るだけだ。長期的には改革の後退と放漫財政でまたファンディングが厳しくなるかもしれないが、今の時点では我々の知ったことではない。問題は極右の北部同盟LNである。こちらは五つ星の影に隠れているが立派な欧州懐疑主義政党であり、フォルツァ・イタリアと比べて支持率はやや劣っているが僅差である。この二つの議席数がひっくり返った場合は北部同盟が中道右派連合を通してイタリアを制する可能性がある。どこぞのスペースオペラでおなじみの「51のうち26を占めれば100を支配できる」という例となる。
ポールを素直に信じると最も可能性が高いのは三すくみである。この場合、大連立を組むか、再選挙にもつれ込むか。素直に前者はリスクオン、後者は一時的にリスクオフ要因となるだろう。中道右派が過半数を取った場合は北部同盟の議席数に注目。与党・中道左派が過半数を取ればややポジティブサプライズになる。そして最もデザスターな結果は三すくみから反EUを軸に五つ星運動と北部同盟が連立するケースであるが、さすがにテールシナリオだろう。移民が銃撃されたりとヘッドラインはやや流動的である。イタリアはEUで3番目に大きな経済大国とはいえ、ギリシャ危機の時と違ってこれはイタリア国内の問題でしかないし、フランス大統領選の時とも違って反EUは争点になっていないので、リスクオフのきっかけになった場合も揺さぶられるべきではないだろう。
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