待ちに待った4月2日「解放の日」は大混乱の始まりとなった。さすがにずっと前から予定が公表されていたため投資という意味での回避は難しくなかったのだが、そこで発表されたトランプ政権の関税計画は世間の予想を遥かに上回った。本ブログも「先進国同士の関税は基本的 ...
カテゴリ: 欧米
関税政策へのFedの反応を整理する
さて、前回の記事ではトランプ政権の関税は輸入品限定の消費税増税と同じであり、一般物価に対しては中立かデフレーショナリーである、と述べた。であれば、関税のせいで上昇した財価格に反応して利上げするなどもってのほか、というより思い付いただけでも恥であり、Fedは ...
最適関税理論と関税の経済学
アドルフ・ヒトラーの遺体から立ち昇る煙が途絶えた後、この人は陰謀家ではなく、人々に将来の政策を隠してきたわけですらなく、やらかす予定の政策はとっくの昔の著作にかなり明確に述べられていたことを人々は思い出した。今金融市場を震撼させている第二次トランプ政権 ...
第二次トランプ政権の公務員削減が視認され始める
第二次トランプ政権は関税のヘッドラインを撒き散らすと共に、イーロン・マスク率いるDOGEを使いながら連邦政府の人員削減と歳出削減も目指してきたことが知られている。Department of Government Efficiency(DOGE)は、2025年1月20日に第2次トランプ政権が発足した後、 ...
第二次トランプ政権の関税政策を整理する
第二次トランプ政権の目玉政策の一つである関税について。関税は経済サイクルではなく政治的なテーマであり、また進歩主義(progressivism)の見方からは明らかに反動的な動きであるので、あまり気が進まないテーマであるが、金融市場にとっても重要なものになりつつあるの ...
グローバル大手機関投資家の2025年マクロ見通し
暇な年末年初にグローバル大手機関投資家のCIOが作り込んだ2025年見通しをまとめる作業を行うのを毎年恒例、にしようと思っていたのだが、それなりに時間をかけて読み込んだ各社2023年アウトルックが軒並み早速惨憺たる結果になったため2023年末にはアホらしくなりやめてし ...
9月雇用統計はサームルール懸念を駆逐
誤解を解いた9月分雇用統計 8月月初に金融市場を震撼させた「サームルール」はすっかり誰も話題にしなくなっている。本ブログは7月分の雇用統計が悪かった当初から「サームルール」のトリガーに懐疑的であった。前回の記事では・サームルールが発動した背景の大半は解雇 ...
株式と債券の逆相関復帰と円キャリーの幻影
パンデミック後のインフレレジーム パンデミック後の投資環境はグローバル金融危機からパンデミックにかけての15年間と比較して様々なパラダイムシフトが見られたが、中でも最も大きかったのはインフレ・レジームへのシフトだろう。2008年のグローバル金融危機の後、先進諸 ...
米労働市場の「今回は違う」と「今回も違わない」
米国の雇用とそれを気にしはじめた金融政策について。6月の雇用についての記事では賃金インフレは何の疑念もなく減速していると述べた。7月FOMCの前の記事ではFedが利下げに転ずる前後に催促相場になる可能性を取り上げつつも、7月FOMCでタイムリーに9月利下げへの道を ...
Fedはpivotまでラストワンマイル
バンピーなCPIと利下げ織込み 2024年に入って米国のCPIと利下げ織込みは右往左往が続いた。残念ながら2023年中の利下げ転換(pivot)はなかったが、12月FOMCで再び利下げ開始に含みが持たれ始めると利下げ期待が一気に再燃し、短期金利市場は一時的に2024年中6回利下げま ...