誤解を解いた9月分雇用統計 8月月初に金融市場を震撼させた「サームルール」はすっかり誰も話題にしなくなっている。本ブログは7月分の雇用統計が悪かった当初から「サームルール」のトリガーに懐疑的であった。前回の記事では・サームルールが発動した背景の大半は解雇 ...
カテゴリ: 欧米
株式と債券の逆相関復帰と円キャリーの幻影
パンデミック後のインフレレジーム パンデミック後の投資環境はグローバル金融危機からパンデミックにかけての15年間と比較して様々なパラダイムシフトが見られたが、中でも最も大きかったのはインフレ・レジームへのシフトだろう。2008年のグローバル金融危機の後、先進諸 ...
米労働市場の「今回は違う」と「今回も違わない」
米国の雇用とそれを気にしはじめた金融政策について。6月の雇用についての記事では賃金インフレは何の疑念もなく減速していると述べた。7月FOMCの前の記事ではFedが利下げに転ずる前後に催促相場になる可能性を取り上げつつも、7月FOMCでタイムリーに9月利下げへの道を ...
Fedはpivotまでラストワンマイル
バンピーなCPIと利下げ織込み 2024年に入って米国のCPIと利下げ織込みは右往左往が続いた。残念ながら2023年中の利下げ転換(pivot)はなかったが、12月FOMCで再び利下げ開始に含みが持たれ始めると利下げ期待が一気に再燃し、短期金利市場は一時的に2024年中6回利下げま ...
米国の賃金インフレは何の疑念もなく減速
雇用者数が再び跳ねた「2024年の春」 米国の雇用に本ブログが注目しなくなって久しい。2023年中は新規雇用者数をNFP(Non-Farm Payroll、米国非農業部門雇用者数)で見てもADP雇用統計で見ても金融引締めの影響で低調さが続いた。しかし2024年春になるとどちらも盛り返し ...
潤沢準備レジーム下のヘッジ付き外国債券投資の総括
年の暮れにあえて、主に機関投資家コミュニティが行ってきた「ヘッジ付き外国債券投資」というマニアックな話題について。貯蓄超過の日本から名目利回りが高い外国債券への投資フローは数十年単位で続いてきたが、一部の年金投資家や個人投資家は為替リスクを取れるのに対 ...
QTが資産価格に限定的な威力を発揮する
RRPによるTGAの綺麗な代替 まず5月末に警戒されていた米国の債務上限とデフォルト騒ぎのその後について。今となっては99%の市場参加者がすっかり忘れ去っているに違いないが、債務上限の再撤廃に伴うT-Bill増発で1兆ドルの流動性吸い上げなどという与太話が大真面目に語 ...
米国の脳内景気後退とシクリカルな中国外需
8月分から中国の経済指標は同時多発的に改善しつつしており、期待が極めて低かったこともあり中国のエコノミック・サプライズはぶち上がっている。散々言われてきた日本型デフレを回避できるかもしれないとまで調子よく言われ始めた。本ブログの見方では今後の構造的な、 ...
株式にしか関係なかったディスインフレーション
米国の金融政策については気だるい時間帯が続いている。インフレーションの減速(disinflationと表記される。慢性的なデフレーションとはまた別の意味の、あくまでも減速である)は順調に進んでいる。その結果Fedの仕事はほとんどなくなっている。これはFOMC警戒もその剥落 ...
長短金利逆転=景気後退説の投資における敗北
S&P 500はボトムから20%上昇してブル・マーケット入りしたが、過去の多くのラリーがそうであったように幅広く納得はされていない。特に何かにつけて「債券投資家と株式投資家の温度差」が取り上げられてきた。曰く、米国債のイールドカーブがインバート(長短金利逆転)し ...