先進各国が金融引締めを加速させる中、黒田日銀が頑なにYCCと金融緩和を止めないことから円安が加速した。その過程でまず山崎・元財務官が為替介入の可能性を警告し、その後9/22夕刻についに24年ぶりの円買い介入が決行された。ほとんどリアルタイムで神田財務官が為替介入 ...
カテゴリ: 先進国
BOEが不評な減税策の尻拭いをさせられる
イギリスの30年国債金利が1日で50bp上昇した後に100bp下落と極端な値動きを示した。22日のBOE定例会合(MPC)からの債券の値幅で言うと24%落ちて24%跳ねたことになる。これに世界中の債券市場が巻き込まれて大荒れになった。 事の発端はイギリスのリズ・トラス新政権 ...
米国不動産引締めは将来のデジタルリスクに
一連の米国経済の記事で本ブログは消費者の過剰貯蓄、消費財の供給制約(サプライチェーン制約)、雇用、そしてインフレの中身のシフトについて点検してきた。中でも消費財のインフレが明瞭に終焉に向かいつつあるのを横目にしつこく残っているのは賃金と、「不動産だ ...
米国CPIはガソリン主導からコア化
米国8月CPIの数字は再び市場をざわつかせた。ヘッドラインCPIは年率+8.5%から+8.3%へと大方の予想通りピークアウトの形を保っているが、コアCPIの高止まりが目立った。ヘッドラインCPIはコンセンサスの+8.1%より+0.2%と少し高かったものの、その乖離幅はそっくりコアの ...
米国の雇用には金融引締めがじんわりと効いている
米国の8月分雇用統計では雇用者数が市場予想を若干上回る伸びとなり、一方で賃金の伸びが鈍化し、失業率が上昇した。素直に見るとちぐはぐなデータだが、雇用統計の読み方は前回の記事の枠組みから外れていない。 雇用者数については「求人は多いに決まっており供給の方が ...
これから量(QT2とRRP)の話をしよう
ようやくFedのQT2が静かに始まった。6/1からFedの保有資産は償還再投資の減速を通じて減り始めているが、その減り方は全速力を出す9月までは緩慢である。本ブログは昨年12月に日本語メディアの中でもかなり早くQTとそのインパクトを取り上げていた。もっともその時の多くの ...
Fedの原罪、民主化と退化が生み出した景気後退懸念
5月FOMCでアナウンスされた「今後数回は50bp利上げ」パスが作った安寧は6月FOMCで破られた。5月分CPIが予想外にピークアウトしなかったこと受け、既に6月FOMC直前の連銀総裁が発言しないブラックアウト期間に入っていたFedは慌ててWSJのNick Timiraos記者に6月利上げ幅を75 ...
米国不動産だけは金融引締めにあまり動じない
Fedの金融引締めサイクルが佳境に入り、コアPCEデフレーターがピークアウトする中、最も金融引締めがダイレクトに効きそうなのに最もしぶといのは住居である。一般的に金融引締めは住宅ローン金利の上昇を通して住宅の購買力を削ぎ、住宅価格を下落させ、最後に家賃を低下 ...
消費財のサプライチェーン制約は明確に緩和
月末月初に発表された米国経済指標はデフレーショナルなものが続いた。コアPCEデフレーターの前年比伸び率は3ヶ月連続の減速となりピークアウトが鮮明になっている。サンフランシスコ連銀が分析を始めたコアPCEの要因分解ではコロナ後のインフレは供給要因(サプライチェー ...
米国消費者の過剰貯蓄は大半が健在
米国のマクロ指標がどれもFedの激しい金融引締めに圧迫されている中、頼りは個人消費のみという形となっている。個人の購買力も物価上昇によって明らかに蝕まれ始めている。ミシガン消費者信頼感指数がどんどん下がっているのも気になるところであるが、本ブログはそのよう ...