さてウクライナ東部のドネツク戦線。これほどまでに観客から頑なに軽視されてきた主戦場はかつてあっただろうか。この一帯は2014年にドネツク、ルガンスク両人民共和国が独立を宣言して以来10年間にわたってドンバス紛争と称される内戦の戦場であった。2022年の特別軍事行 ...
カテゴリ: 雑学、雑談
悔いが残らない停戦のために(北部編)
「—―クルスクで攻勢に出る必要が本当にあるのか?クルスクがどこにあるかさえ誰も知らない。世界は我々がクルスクを占領するかどうかに全く興味がない。クルスク、いやそもそも攻勢にこだわる理由はなんだ?」ハインツ・グデーリアン上級大将『電撃戦』 前回の記事から9ヶ ...
常に政治色が強かった資産ゴールド (後編)
本記事は「常に政治色が強かった資産ゴールド (前編)」の続きとなる。2020年代に急に実質金利耐性まで付けたゴールドの需要側を整理すると、ジュエリー好きの国々の購買力の増大によるものはあるものの、ゲームチェンジャーというほどではない。ETFなどの投資家はスタグフ ...
常に政治色が強かった資産ゴールド (前編)
年初来パフォーマンスで株式を猛追する金(ゴールド)について2本の記事を用意してみた。1本目の記事ではまず金(ゴールド)の金融商品としての歴史を振り返り、2本目では2022年以降の金相場について考える。金は地球上で採掘量が限られている非常に希少な金属であり、希少 ...
ウクライナ軍は最も厳しいタイミングで総司令官交替
消耗戦が続く中ですっかり「忘れ去られた戦争」の色が濃くなってきたウクライナ戦争。アホらしいことに、前線が苦戦する中でゼレンスキー大統領によるヴァレリー・ザルジニー武装部隊総司令官の更迭という茶番にも我々は付き合わざるを得なくなった。本ブログも好意的に評 ...
ウクライナ軍が反攻作戦で闘争心を使い切る
新たに始まったハマス・イスラエル戦争の影にすっかり隠れてしまったウクライナ戦争。前回の記事で取り上げた、西側の訓練と装備を利用したウクライナ軍の反攻作戦は、当初の宣伝よりやや遅れつつも、半年前に本ブログが予想した通りの戦場ザポリージャ州で大々的に始まっ ...
消化試合にならなかったウクライナ戦争後半
すっかり注目度が下がってしまったウクライナ戦争について久々に。セベロドネツク・リシチャンシク戦役の後の情勢は圧倒的にロシア軍優勢、ウクライナ軍劣勢であった。しかしロシア軍と政権の戦争指揮はまたしても本ブログの予想の斜め上を行ったため、前回記事の敗北主義 ...
ドンバス戦線は引続きWW2レベルの陸戦
久々にドンバス戦線について。前回の記事はマリウポリ陥落の直前にあたる3ヶ月ほど前になるが、その後3ヶ月の戦闘の様子は前回の記事の描写の域から逸脱していない。前回の記事を繰り返すだけでその後のドンバス前線の展開の描写になる。「(ウクライナ軍が)ここまで善戦 ...
ドンバス戦線はついに第二次世界大戦レベルの陸戦に
前回の記事ではロシア軍のキエフ近郊からの全面的な撤退の開始、マリウポリの攻防そしてドンバス戦線へのシフトを描いた。攻勢でも勝てなかったキエフ近郊からの撤退に際し、もしウクライナ軍が反撃、追撃に出たら無理に突出していたロシア軍が壊滅的な打撃を受ける可能性 ...
時間切れで冬戦争は劣化版中越戦争へ
ロシア・ウクライナ紛争は意外な長期化を見せている。戦局自体は前回の記事の延長上で推移している。キエフ~チェルニーヒウ~ハリコフ間について本ブログは早々に「これ以上の戦闘継続はロシアにとって困難かつ無益である」としていた。またキエフ戦線が主戦場でもなくな ...