2016年1月に騙し討ちで導入され、以降8年余りにわたって金融機関の収益を圧迫してきた憎きマイナス金利政策がついに撤廃された。同時にYCCとオーバーシュート型コミットメントもゴミ箱に放り込まれた。植田日銀が始まってちょうど1年になるが、前任者の負の遺産の大半を ...
タグ:マイナス金利
春のマイナス金利政策撤廃が現実的に
12月の政策決定会合で壮大な空振りを演出した日銀の金融政策のその後について。植田日銀がマイナス金利政策の早期撤廃期待をにべもなく否定した後、年末にかけて米金利が更に大きく低下するなど外部環境も怪しくなり、年が明けるとすぐ能登半島地震が続き、1月会合の展望 ...
ドル円フラッシュクラッシュと日銀空振りサプライズ
12月の円相場はまたしても荒れた。二つの要人発言が重なったことで為替市場には円買いが殺到し、12/7にドル円は急落した。本邦個人投資家の為替証拠金取引(FX)の最大レバレッジは25倍なので、多くの人がポジションを持っているコストから4%ほど逆の方向に行けば統計的に ...
日本銀行はTransitoryを死守したまま自由行動へ
円金利と円相場について。10月の金融政策決定会合を経て長らく懸案だったYCCは実質的に完全に撤廃され、長期金利はほぼ完全に自由行動に移行した。7月に0.5%から1.0%にバックした毎営業日連続指値オペは「強力な効果の反面、副作用も大きくなり得る」を理由に完全に撤廃さ ...
通貨防衛のボールは再び日銀から財務省へ
日銀の9月会合では7月会合から更に一転して煙に巻くターンとなった。金融政策は展望リポート更新月でもないので当然現状維持(論点はせいぜいフォワードガイダンスが変わるかどうか)であるが、本ブログも取り上げていたようにマイナス金利政策の早期撤廃の話題が過熱す ...
マイナス金利のラストサムライの余命も見えてくる
7月のYCC再修正を経ても日本の国債市場は概ね秩序を保った金利上昇が続いており、一方為替市場でもじわじわと円安が進んだ。そこに再び、日銀の植田総裁の読売新聞の単独インタビューが大きな波紋を呼んだ。曰く、「賃金上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てた段階にな ...
ドイツ国債金利が師である日本国債金利に追い付く
大手ブローカーTradeWebのツイッターアカウントに「We meet again」と煽られているように、ドイツ国債10年金利は3年ぶりに日本国債10年金利に追い付いた。元よりイタリアがテクニカルリセッション、ドイツも辛うじてリセッションを回避したという程度には景気が悪い中で世 ...
GPIFが日銀にマイナス金利を徴収されそう
GPIFが国民年金積立金を運用するのに際し、信託銀行に預けている円預金にかかるマイナス金利を徴収されることになりそうだ。この話は端的に言えば「マイナス金利政策のせいで、国民の資産である国民年金積立金から日銀に毎年0.1%(数十億円)の利子を支払うことになる」と ...
リバーサル・レートという今更な概念
11/13に黒田総裁がスイスのチューリヒ大学で講演を行い、その際に「リバーサル・レート」という使い慣れない単語を用いたことが一部で反響を呼んでいる。総裁が新しい理論に食いつき、新しい単語を使うことは今後の金融政策に向けた何らかの暗示を含んでいるのではないかと ...