示唆が多かった3月FOMCを受けた記事では米長期金利の下限を2.125%に設定したが、その後米長期金利は10年2.8%台へと大きく上昇している。これは最初はロシアのウクライナ侵攻を受けたインフレ懸念によるもの(インフレ期待主導)であったが、途中からFedの引締め懸念自体 ...
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RBAはYCCをあっけなく捨ててしまう
オーストラリア中銀のYCCの歪みが市場に攻撃され豪州の短期金利が荒れた件を本ブログは取り上げたが、11/2のRBA会合でYCCはあっさり撤廃された。「現にYCCを一旦停止してから再開すると想像するのは難しいし、かなり説明を立てづらい。従って2年金利がYCC水準の0.1%まで ...
S&P 500は更にユーフォリア
先週のS&P 500は上値追いの一週間となった。2週連続で押し目買いと言い続けてきたものの結局押し目がやってこなかった。「4535が週足サポートとなり、それすらブレイクされないようでは売りはコールの盛り上がりに焼かれる危険性が引続き高そうである」としていたのだけ ...
利上げ織込みラッシュに乗り遅れた豪州YCCが破綻
先週は再び持ち上がったインフレ懸念などで先進国各国で短期金利のブローアップが目立った。特に2年国債金利を0.1%に固定するYCC(Yield Target。日銀が作ったらしいYield Curve Control YCCが先に流行ってしまったようである)を中央銀行RBAが導入していたオーストラリ ...
S&P 500はテスラに射幸心を煽られる
先週のS&P 500はテスラの大型受注から急騰し時価総額が大きく膨らんだのを受けて上値追いセンチメントが煽られた。先週の記事では新高値に売りなしとしていたものの、NAAIMを見て少し調整しないといけないではないかとしていたのは余計だった。週半ばには小さな調整が行わ ...
RPP付利引上げでFedが米ドル資金不胎化を加速
6月FOMCでは市場予想を上回るホーキッシュな結論が発表された。ドットチャートが利上げ開始タイミングの前倒しを示しただけなく、本ブログが「遠ざかった」と考えていたRRP付利とIOERの引上げが敢行された。IOERとRRP付利は同時に5bp引き上げられ、EFFR誘導コリドーは実 ...
その後大スターに躍進したRRPと疑似テーパリング
3月のTGA, FOMC, RRP, SLRのまとめで取り上げたTGAの消化は粛々と進んでいる。記事で整理した通り、マネーの「津波」とも形容されたTGAは銀行を通して超過準備へ、またMMFを通してRRPでFedへとそれぞれのルートを通って回収されている。1兆ドル近いTGA流入は現場にとって大 ...
TGA, FOMC, RRP, SLRのまとめ
米国で巨額の給付金が配られることによる短期資金市場への潜在的なストレスは長らく議論を呼んできた。米国財務省は昨年から巨額の資金を調達し、その現金をTreasury General Account(政府預金口座)と呼ばれる口座を通してFedに直接預けてきた。昔は大半を商業銀行に預け ...
長短金利逆転=景気後退の「今回は違う」
この図はソニーフィナンシャルホールディングスのレポートから切り取ったものである。レポートそのものはもっと多様なリスクの点検を行っているが、今回はあえて都合良く一部だけ切り取って議論に使うこととする。長短金利逆転=リセッションという常識 米金利の長短逆転 ...
短期金利は株式配当利回りを上回るのが普通
米国の短期金利が上昇を続けてきた中で、2017年年末頃に短期金利の代表的指標である2年金利がS&P 500企業の株式配当利回りを上回った。この関係性をロバート・シラー教授、ジェレミー・シーゲル教授や有名ファンドマネージャーのジェフリー・ガントラックなど錚々たるメン ...