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 前回の記事で見てきたようにUBSによるクレディ・スイス(CS)の救済買収に伴って無価値になったCS AT1債は全世界の投資家に損失をばら撒いたが、当然その一部は日本の富裕層や法人を直撃している。時間が経つにつれてCS AT1債投資で損失を出した人々の群像が浮かび上がって ...

 今年に入ってFedの金融引締め懸念で株と国債がそれぞれ売り込まれる中、その中間に位置する資産クラスである社債も当然崩れ始めた。これにより、株のバリュエーション調整にすぎないとされていたリスクオフ局面は一層深刻な捉えられ方をするようになった。いわば「本丸が動 ...

 本ブログが夏以降に断続的に取り上げたエバ―グランデ(恒大集団)のデフォルトがいよいよ近付いてきた。負債総額が33兆円と破綻当時のリーマンブラザーズの半分もあるので、一部でリーマン・モーメントとさえ取り沙汰されている。本ブログが早々とToo big to failの恐喝が ...

 中国株への当局の圧政と並行して、華融(Huarong)と恒大(Evergrande)の債務危機も中国市場をリスクに晒してきた。どちらもToo big to failと言われてきた巨大債務企業であるが、先月の記事ではLGFVと華融の騒ぎは当局の火遊びにすぎず、中国のクレジット市場で最も注目 ...

   中国の内需については既にさんざんこき下ろしたが、それと並行して中国企業のデフォルト増加も話題になっている。中国は2020年にデフォルトが急増しなかった代わりに、2021年になっても2020年を上回るペースでデフォルトが続いている。 フィッチが各年1H同士で比べた ...

 米国債金利の上昇に伴い米国投資適格社債(USIG)ETFのLQDも軟調な地合いになっている。パンデミックショックでは企業の財務悪化やデフォルトの懸念によりUSIGも株と同様に急落したが、その後は懸念の解消とFedの買い支え策などにより価格が一直線に回復した。しかし今年に ...

 中国で有名国営企業(SOE)の社債デフォルトが続いている。10/23に遼寧省の華晨汽車、11/10に河南省の永煤集団、そして11/15に北京の紫光集団と立て続けに3件である。華晨汽車は辛うじてAAAからの格下げが間に合ったが、他の二社はAAA格を保有したままのデフォルトとなった ...

 米株がクラッシュすると共に、社債市場も再びストレスに晒された。特に原油安が直撃するシェールガス企業が発行したハイイールド債を保有するとされるハイイールド債ETF(例としてBlackrockが運用するHYG, 上図)などは当たり前のように15%程度下落したが、今回興味深かっ ...

 1月に急伸を見せて話題になった中国の社会融資総額(Total Social Financing)が2月になって早速息切れしている。前月の4.6兆元から7030億元(予想1.3兆元)への急落である。旧正月の季節性もあるものの、チャートを見ると例年の2月よりも増加分が少ない。早速風向きが変わ ...

 デレバレッジ運動が中国経済、ことに民間経済に与えた破壊力の出所は金融の「質的引締め」、つまりクレジットリスクを取れる資金の萎縮であり、これを上図の社会融資総額(Total Social Financing)でモニターすることができる。社会融資総額及びその内訳はYardeni Researc ...

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