米国の金融政策については気だるい時間帯が続いている。インフレーションの減速(disinflationと表記される。慢性的なデフレーションとはまた別の意味の、あくまでも減速である)は順調に進んでいる。その結果Fedの仕事はほとんどなくなっている。これはFOMC警戒もその剥落 ...
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パウエル・プットとパウエル・コール
前回の記事で「パウエル・プットの発動は近い」とした直後に、あれだけ 「Fedは株価よりインフレ退治を優先する」と言われていたど真ん中でパウエル・プットが派手に炸裂した。5月FOMCが「今後数回の50bp利上げ」の織込みを誘導し始めたことから6, 7月FOMCは50bpずつと概ね ...
中期的に見た米国債金利のレンジと買える水準
示唆が多かった3月FOMCを受けた記事では米長期金利の下限を2.125%に設定したが、その後米長期金利は10年2.8%台へと大きく上昇している。これは最初はロシアのウクライナ侵攻を受けたインフレ懸念によるもの(インフレ期待主導)であったが、途中からFedの引締め懸念自体 ...
FOMC議事要旨でQT(Run off)が表舞台に
1/5に発表された12月FOMC議事要旨はタカ派なサプライズになったようであり、実質金利は一週間で30bp以上も上昇し、これは歴史的といえるほどではないにしろ、それなりに大きな値動きであった。当然株式市場の方でも大騒ぎとなった。QT(Quantitative Tightening, 量的引締 ...
S&P 500はQT懸念でクラッシュ
明けましておめでとうございます。S&P 500は年末に急騰した後に年始に急落した。年末最後の記事では「とりあえず4630を背に緩く強気目線で構えつつ年末年始を過ごすことになるか。1月はFOMC議事録への反応も見たいしシーズナリティ的にも調整しやすいようなのでもう少し慎 ...
米国債市場に本邦勢が戻ってきた
各方面をヒヤヒヤさせてきた米金利が新年度に入ってようやく落ち着きを見せ始めた。3月FOMC以降、10年金利は概ね1.6~1.75、30年金利は概ね2.3~2.5のレンジで推移してきたが、足元ではレンジを切り下げている。リオープンを受けた米景気指標の改善が続いているが、概ね米 ...
米金利上昇が資産価格調整を招かなかった背景と注意点
大統領選前の記事から米国の長期金利は更にじわじわと上昇し、10年金利は1.1%台後半、30年金利は2%近辺まで上昇している。実質金利は夏以降概ね横ばいであり、ほぼ完全なBEI主導の金利上昇となった。前回の記事では10年も30年もBEIがコロナ前の巡航速度にあたる2%を大きく ...
債券バブルがテクニカルに重要な位置に差し掛かる
円金利の急騰を追い掛ける形で、関税第4弾の回避とイギリス総選挙通過という政治リスクの剥落を経て欧米金利も上昇してそれぞれテクニカル的に重要なポイントに差し掛かっている。 ドイツ10年金利は▲0.20%を上にブレイクできた場合、夏以来の非常に大きなリバースヘ ...
日本のぎこちない金利高通貨高
日本の長期国債金利の指標となる10年金利は久々に0%に戻ってきた。グローバルのリセッション懸念も一旦盛り上がってから後退したことから、また日本の独自要因であった夏の日銀マイナス金利深掘り匂わせ騒ぎが円安の継続で剥落し、更に「安心と成長の未来を拓く総合経済 ...
ついに米国2y-10y逆イールドとなる日がやってくる
昨年の2y-5y、今年3月の3M-10yに続いて、8/14には米国債の2年と10年金利が逆転して逆イールドになった(インバートした)。長短金利の逆転は景気拡大終盤に発生しがちであり、金融政策対比で景気の先行きが弱いという市場参加者の見通しを表している。またこれまでもリセッ ...